2016年5月北海道糠平温泉遠征(5月28日〜6月1日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト

                            花や他の動物の写真    鳥の写真(5月28日)  

                                                        鳥の写真(5月29日)     鳥の写真(5月30日)

                        鳥の写真(5月31日)     鳥の写真(6月1日) 

 

   

 糠平温泉にまた出かけました。一昨年の3月に行って以来2年ぶりの訪問です。今回も、団体旅行に同行して、フリータイムを利用して鳥見をしようという企画です。同行者は私を含めて5人、昨年の札幌遠征と同じ方たちです。地元の案内者はなく、自力で見つけなければなりません。飛行機は羽田を13時15分に出発しました。帯広空港には14時半過ぎに到着しました。

 空港には、ホテルのバスが迎えに来てくれていました。団体ということでしたが、私たち以外には一人しかいませんでした。帯広は東京より気温は高く、天気も晴れていました。空港からは約1時間半強の行程で、現地には5時少し前に着きました。

  荷物を置いて、さっそく出かけることにしました。 

  一日目(5月28日)

 時間があまりないので、園地方面に行くことにします。住宅地ではニュウナイスズメ、カワラヒワなどが観察されました。自然館の付近ではオオルリが観察されました。鳥の声は聞こえますが、その姿を見るのは大変でした。まだ芽吹いたばかりの樹もありますが、結構葉が生い茂っています。そのため、鳥の姿がなかなか見つかりません。湖畔まで行く時間がなく、途中で引き返しました。

  戻りは住宅地の中を引き返しました。上空にはイワツバメが飛んでいました。天気が良いためかかなりの上空でした。それでも腰の白さはよく目立ちました。やはりニュウナイスズメカワラヒワそしてスズメを見ることができました。

 6時が食事の時間でしたが、陽が長く、まだ明るく、翌日からは夕食時間を30分遅らせてもらいました。食事後はかけ流しの温泉で、ゆっくり温まることができました。  

    二日目(5月29日)

  朝から快晴でした。朝5時に集合して出発しました。宿泊場所の前の公園をチェックしながら、博物館方面に向かいます。ハシブトガラハクセキレイが見られました。振り返ると大雪の山々が見られます。まだ雪が一部残っています。自然館付近ではノビタキが電線にとまっていました。キャンプ場の中に入ってみました。キビタキの声が聞こえますが、姿は見つかりません。トイレ周辺ではコマドリと思われる声を聞くことができました。しかし、その後は聞けませんでした。足元を見ると小さな花が咲いています。普段は気がつかないのですが、同行者の方が見つけてくれました。

 湖畔の園地方面に向かいます。エゾアカゲラの声が聞こえました。メスです。続いてキビタキを見つけました。樹の頂上付近で鳴いていました。姿を確認できましたが、間もなく飛んでしまいました。続いてヤマゲラを見つけました。オスです。しばらく姿を見ることができました。

 朝食の時間を8時に予定したので、戻ることにしました。しばらく進むとヤマゲラが再び現れました。今回はオスとメスの両方が見られました。キャンプ場近くにいました。地面で採餌していました。旭川で初めてヤマゲラを見た時も地面で採餌していたのを思い出しました。

 朝食後は大雪の登山口につながる林道方面に向かうことにしました。

  この道はエゾライチョウを、以前見たという情報を得ていました。しかし、クマもよく出るところです。気をつけながら進むことにします。途中、ミヤマカケスが姿を見せました。以前は毎日のようにミヤマカケスを見ましたが、今回の遠征では、この時しか姿を確認できませんでした。季節により違うのかもしれません。さらに進むとコサメビタキが現れました。何回も眼の前を飛びます。よく見ると、近くの枝で巣作りをしています。途中蝶なども見ながら、水道施設まで行きましたが、鳥の姿はなかなか見ることができません。しかし、クロツグミと思われるさえずりやキビタキなどの鳴き声が聞くことができます。しかし、残念なことに、鳴き声で鳥の識別がなかなかできません。姿が頼りなのですが、巣型は葉に遮られ見ることができません。戻る途中では、ヒガラハシブトガラを見ることができました。キツツキの巣と思われる穴も見つかりましたが、姿は確認できませんでした。

  昼食は1時までに戻らないといけないとのことで、急いで戻りました。昼食後はトレイコースに向かいます。最初のコースは途中に倒木があり、さらに進むと蜂の巣があり、結局元の道を引き返しました。別のコースを進みます。糠平川橋梁に向かうコースです。途中鳥の姿は見ることができませんでした。橋梁からはキビタキなどの声を聞くことができました。鉄道軌道後の道を進みます。途中でキビタキの姿を確認できました。まだ少し若い個体でした。

 その後はキャンプ場にまた行きます。キビタキの声を聞きながら進むと、ゴジュウカラコゲラなどの姿が確認できました。その後、園地に行きましたが特に収穫はありませんでした。自然化の前ではるか遠方の山の樹上に鳥の姿が確認できました。先ほどからツツドリが遠くで鳴いていましたが、どうもその声の発生者がこの鳥のようです。まもなくこの鳥は飛び立ちました。はっきりトケン類と確認できました。やはりツツドリでした。

 宿に帰る途中で、酒屋に寄りました。ご主人夫妻から昔の話を聞きました。昔はクマゲラ、エゾライチョウはいたるところにいたようです。クマゲラは湖畔で良く見るという話も聞きました。

 ホテルの前ではヤマゲラが確認できましたが、少し暗くなっていて、写真はうまく撮れませんでした。

  この日は天気には恵まれたのですが、あまり成果は上がりませんでした。2万歩近く歩きました。

 この日も温泉で、ゆっくり体をいやすことができました。しかし、夜寝るときやはり足に節々に疲れが出ていました。

      三日目(5月30日)

  この日はあまり天気が良くないという予報でした。しかし、薄い日が差しています。5時から朝探に出かけました。

 住宅地ではイワツバメに出会いました。天気のせいか今日は低空を飛んでいます。続いてホオジロを見ました。オスとメスのペアがいました。湖畔の園地に向かいます。ここでは相変わらず、樹上で鳥のさえずりが聞こえます。しかし姿がやはり確認できません。

 鉄道資料館の方に向かいます。ここでは、目線に近いところから鳥が確認できます。園地方面から聞きなれない鳴き声が聞こえました。その声を、同行者に確認しようとしたとき、鳴きながら、黒い鳥が飛びました。クマゲラです。昨年11月に会って以来の出会いです。その姿を見たのはほんの一瞬でしたが、皆でクマゲラであることを確認しました。ここではクマゲラはあまり期待していなかったのですが、良い目標ができました。いろいろ見てみるととクマゲラが採餌したと思われる樹がいろいろ見つかりました。

 その後きれいなキビタキが眼の前にあられました。今日の朝探は大きな成果を上げることができました。採餌跡が残る樹をこれからはマークしようということになりました。

 朝食後は、ニュウナイスズメやカワラヒワを見ながら移動します。今朝聞いたクマゲラの鳴き声がトレイルのある川方面から聞こえました。とりあえず、自然館で情報収集をしようということになりましたしました。話を聞くと、クマゲラの姿は時々見るようです。しかし、営巣場所は山の中のようで、採餌するところに出会うことに期待するしかないようです。エゾライチョウは抱卵に入ってしまったのではないかとも聞きました。葉が茂るもう少し前の方が鳥は見やすいようです。また、われわれの泊っているホテルの屋根にペアのシマフクロウがとまったこともあったそうです。またアオバズクが今年は来ていて、毎日のように鳴くそうです。

 自然館を出ると、軌道跡方面を右から左へハト大の鳥が横切りました。何だろうと話しながら園地方面に向かうと、先ほどの鳥が、こちらに戻ってきて、近くの枝にとまりました。ツツドリです。眼の前の鳥を撮っていると上の樹にヤマゲラが鳴きながらとまりました。一時は午前中のことがあったので、クマゲラではないかと思いました。ツツドリはしばらく場所を移動しながら、付き合ってくれました。軌道跡を通って鉄道資料館方面に行きます。ここで虫よけや蚊取り線香をつけていると、またクマゲラが飛びました。その後ろをツツドリが3羽追いかけました。同じ日に2回姿が見られ、クマゲラの期待が高まりました。

  この後は園地行きました。アカゲラアカハラウソ、ゴジュウカラ、コサメビタキがいました。この間も採餌跡のある樹を何回もチェックしました。なかなか思うように出てはくれませんでした。そこをしばらく離れることにしました。

 鉄路を糠平橋方面に向かいました。そしてトレイルコースに入りました。コサメビタキハシブトガラなどがいました。そして住宅地を一周し、再び鉄路を今度は資料館方面に向かいました。今日も線路の整備の工事をしていました。7月からトロッコ電車が走るそうで、その準備をしていました。工事音が大きく、鳥は難しそうでした。アオジが見られました。

 最後は園地に戻りましたが、やはり思うようにはいきませんでした。

 ホテルに帰った後の食事も、クマゲラの姿を見たことで、話が弾みました。今日も17,000歩近く歩きました。

 部屋に戻った夜10時過ぎにアオバズクの声が聞こえました。皆で見に行きましたが、姿は確認できませんでした。音もなく他の場所に移動していました。

   四日目5月31日)

 今日の天気予報は雨マークが出ています。いつ雨が降ってきてもおかしくありません。

 朝探はいつものように5時に出発しました。

 住宅地などで、ニュウナイスズメホオジロモズなどを観察しました。鉄路を資料館方面に向かいます。声はよく聞こえますが、姿が確認できません。資料館前の車が通らない道を行くことにしました。エゾライチョウを期待したのですが、成果は上がりませんでした。

 園地ではトラツグミが見られました。ミミズをたくさん加えていました。しかし暗いためか、なかなか良い写真は撮れませんでした。園地での帰り道、鉄路の付近でアカウソを見ることができました。ペアでいました。

 朝食後はニュウナイスズメを見ながら、園地に向かいます。クマゲラの来そうな採餌跡のある樹をチェックしますが、見つかりません。ツツドリが見つかりました。トラツグミもいました。しかし、クマゲラは現れません。クマゲラの採餌場所はたくさんあるようなので、なかなか見つかりそうもありません。

 昼食時間も近くなりあきらめて、ホテルに向かい歩を進めます。途中でスマホの話などしながら、キャンプ場近くに来た時、クマゲラが鳴きながら飛んできました。そして、眼の前の樹にとまりました。思わずの出現で驚きました。一度、葉のある部分に入ってしまいましたが、さらに近い樹に移ってくれました。メスでした(最初は頭が赤いのでオスと思っていました。)。しばらくその樹にとまってくれました。えさを探しているようでした。間もなく山の方に飛んで行きました。思いがけない出会いで、喜びは倍増しました。皆で握手をして喜びました。その頃雨が降り出しました。本当に幸運だったと思います。あのポイントを少し早めに通過していたら、出会いはなかったと思います。遅くとも難しかったのではないでしょうか。本当にどんぴしゃりの出会いでした。我々がいたポイントも鳥から目立たないところで会ったことも幸いしました。  

 昼食後は雨が降っていましたが、自然館に行くことにしました。クマゲラに会った興奮はまだ残っていました。自然館ではビデオや展示物を見ながら閉館間際までいました。雨はずっと本降りでした。ホテル前に来るとヤマゲラがペアでいました。雨が降っていたのですが、ヤマゲラは色々サービスをしてくれました。

 夕食時はクマゲラの話で大いに盛り上がりました。今日は15,000歩近く歩いていました。夜は雨がずっと降っていましたが、3時過ぎには上がりました、その頃アオバズクの声が聞こえました。

  五日目(6月1日)

 朝探はまた5時の出発でした。幸い雨は降っていません。9時過ぎにはまた雨が降るという予報でした。昨日のつきはまだ残っています。鉄路から、鉄道資料館に向かいます。昨日の道路も行きましたが、成果は上がりませんでした。園地に向かいます。ここではアカゲラに会うことができました。他はあまり鳥はいませんでした。朝飯後は整理をして帰りの準備です。その頃雨が本格的に降ってきました。遠くでは雷も鳴っていました。帰りのバスは土砂降りの雨でした。それでも沿道でタンチョウの姿を確認できました。

 

  今回の成果は何と言ってもクマゲラです。当初は全然期待をしていませんでした。しかし、その姿を何回か見て期待が上がりました。しかし営巣場所が見つかったわけではなく、あきらめていた時の突然の出会いでした。鳥との出会いは運いかんであることを実感した今回の鳥見でした。今回のメンバーの組み合わせも良かったのではないかと考えています。もう少し早い時期に来れば、他の鳥をもっと見ることができたかもしれませんが、クマゲラとの出合いはなかったかもしれません。今回このタイミングで来たことが最良であったと改めて思いました。

  また今回感じたことは、自然の中で見る鳥見の難しさと楽しさでした。我々いつも行っている鳥見は、公園などが多く、比較的鳥を見つけやすい場所であったり、鳥がいるポイントが分かっていることが多いのですが、今回のような自然の中では鳴き声などを頼りに鳥を探さなければなりません。なかなか難しいことです。しかしその中で鳥を見つけた時の喜びは一層のものがあります。クマゲラの場合も営巣ポイントが分かっていれば鳥との出合いは容易であったはずです。それが今回はできず、なかなか苦労しましたが、それを乗り越えての出会いは喜びひとしおのものがありました。

 この場所での鳥見は、他の鳥見、カメラマンと会ったことがほとんどありません。今回も団体旅行で同行した一人の方が唯一の鳥見の方で、その方ともほとんどすれ違いで、実質上われわれだけでの鳥見となりました。
  最近、鳥見のマナーを知らない方が多く、各所に出かけても不快な気持になることがたびたびありますが、ここでの鳥見はそれからも解放されます。また来たいと思いました。

 同行していただいた皆様には改めて感謝申し上げます。