2016年平島遠征(4月16日〜22日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト

                                          航路・平島の鳥の写真(4月16日)    平島の鳥の写真(4月17日)

                           平島の鳥の写真(4月18日)       平島の鳥の写真(4月19日)

                           平島の鳥の写真(4月20日)       平島の鳥の写真(4月21日) 

   航路・平島の写真(4月22日)

 

   平島に出かけました。昨年に続いての遠征です。メンバーは昨年とほとんど同じです。私を含めて4人です。時期は昨年より約10日早くなりました。見ることができなかったミヤマヒタキなどに会えればと期待しての出発です。日程は当初4泊の予定でしたが、村の選挙が同じ時期に行われることになり、帰りの船便が1日遅れることになり、5泊の予定となりました。

  羽田を15時00分発の飛行機に乗りました。鹿児島空港には予定通り、16時45分に到着しました。ここでバスに乗り換え市内に向かいます。昨年の経験で、降りるバス停も迷うことがありませんでした。バス停近くの「こむらさき」というラーメン屋で食事をしました。そして、明日の朝食、昼食をコンビニで買い、フェリー乗り場に向かいます。フェリーの出発は23時です。

 船内は昨年ほどは混んでいませんでした。すぐに横になりました。途中、熊本地震の2回目の本震があり、各自の携帯が一斉に鳴り目が覚めてしまいました。その後余震が何回かあり、その都度携帯が鳴りました。それでも、うとうとしながら朝を迎えました。

      初日(4月16日) 

 5時過ぎに眼をさましました。明るくなるのを待って、デッキで鳥見をします。北に向かうサシバの群れを見ることができました。昨年同様、船と並走する6羽のカツオドリも見ることができました。昨年以上に近くで写真を撮ることができました。デッキには鳥見の方がもう1グループいました。2組のご夫婦で、広島から来たとおっしゃっていました。我々と同じ日程だそうです。

 船は平島に約1時間の遅れで到着しました。着いた港はいつも乗り降りする港ではなく、東浜の新しくできた港でした。昨年と違い奄美大島に向かう鳥見の人はいませんでした。宿のご主人が車が用意してくれていて、荷物を積んで出発しました。

  途中、山側の壁面にアオハライソヒヨドリを見ることができました。幸先よいスタートとなりました。荷物を宿に置き、本格的にスタートを切りました。まず、診療所方面に向かいます。神社ではきれいなオオルリアオジを見ることができました。上空をサシバが飛びました。千年ガジュマル手前ではルリビタキが出迎えてくれました。ガジュマルポイントではきれいなルリビキビタキが出てくれました。アカヒゲは鳴き声がしましたが、出てきませんでした。ガジュマル近くの畑ではアトリが見られました。

  続いて、ヘリポート経由で南之浜の海岸に向かいます。ヘリポートではツバメチドリを見ることができました。まだ到着したばかりのようで、風を避けて、草の陰でじっとしていました。海岸では、ムネアカタヒバリを見ることができました。きれいに色づいていました。ほかに、ミサゴ、イソヒヨ、オオルリなども見られました。アカガシラサギ、キガシラセキレイを探しましたが、見つかりませんでした。また、集落を通って、ガジュマルポイントに向かいます。途中、以前クロウタドリが出たというポイントにもよりました。ノビタキがいました。ほかにアトリ、ホオジロハクセキレイ、ビンズイなどを見ることができました。

 ガジュマル付近ではルリビ、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイが見られました。オオルリ、キビタキはいたるところから顔を出してくれました。

 寺付近ではコサメビタキが見られましたが、アカヒゲの声は聞こえませんでした。平和荘の前の水田にはタカブシギが2羽いました。

 東港に向かう途中の牛舎に行きました。ここではコチドリ、キセキレイが観察できました。東港ではアカガシラサギを探しましたが、いませんでした。また展望台にもよりましたが、昨年見られたオウチュウなどの鳥影はありませんでした。戻る途中ヘリポート先の空き地でノジコを見ることができました。

 今日の鳥見人は我々以外に船でご一緒だった4人組と平和荘に宿泊されているご夫婦だけです。目的の鳥の一つであるミヤマヒタキは、14日に2羽見られたようです。当日の鳥見人は平和荘のご夫婦だけで、独占状態だったようです。  

 早めに宿に戻りました。ここでの楽しみは夕食に出る魚介類です。この日もおいしい刺身などをいただきおなかいっぱいでした。

 スタート初日は鳥の数は多かったのですが、種類としては昨年と比べるとパッとしませんでした。これからに期待することにして早めに布団に入りました。  

   2日目(4月17日)

 昨晩は、強風が吹き、雨もだいぶ降りました。朝5時半に出発しました。昨年はあまり行っていない寺の先の道と貯水槽のある道に行くことにしました。ここではクロツグミ、カラアカハラを見ることができました。ツグミの数が多いような気がしました。他にセンダイムシクイなどがいました。まだ到着したばかりのようで十分に飛べない個体が多く見られました。

 朝食後はヘリポート方面に向かいました。昨日いたツバチはまだ同じ場所にいました。今日は少し動けるようになっていました。同じところにタイワンハクセキレイもいました。昨日ノジコがいた空き地には、チュウサギがえさ取りをしていました。またヤツガシラの飛翔姿を2回観察できました。ヤツガシラが向かった方面に行ってみましたが見つかりませんでした。展望台方面に向かうと、チュウサギがカナヘビを食べていました。他はパッとしません。

 南之浜海岸に行ってみました。ムネアカタヒバリが相変わらず出てくれました。他にはエゾムシクイ(またはウスリームシクイ)がいました。最初ムジセッカかと思いましたが、後で写真を確認し、カラフトムジセッカとしました。以前、飛島で見た鳥ですが、満足のいく写真が撮れなく、今回は写真が撮れ、1種ゲットしたような気分でした。他にチュウサギがここにもいました。

 南の海岸から集落に向かう途中に牛舎があります。ここも鳥のポイントです。ここにはシベリアアオジ、ノジコがいました。

  千年ガジュマルに行きました。途中、ミゾゴイが出てくれました。これからこの付近でこのミゾゴイを何回か観察されました。この付近をテリトリーとしているようです。アカヒゲポイントでアカヒゲを待ちましたが、アカヒゲはほとんど出てくれませんでした。一度不だけ少し顔を出してくれましたが、写真になりませんでした。その代わりにツグミが次から次へと顔を出してくれました。ちょうど渡ってきたタイミングだったようです。シロハラ、アカハラが多かったですが、中にはクロツグミ、カラアカハラが混じっていました。こんな光景を見るのは初めてで感動物でした。

 このポイントではムシクイもよく出てくれました。センダイムシクイに混じってジリリと鳴く頭央線がないムシクイがいました。このムシクイについて夜の皆で検討しました。コムシクイの可能性が高そうという結論でしたが、後日の検討でコムシクイとは断定しがたいということになりました

 グランドで、胸がオレンジ色に見えた鳥がいました。ミヤマヒタキではないかと色々写真を撮りましたが、結局ルリビタキでした。見たい見たいが見たい鳥になってしまうようです。よくあることです。一瞬どきどきしたのですが…。

 この後、寺付近に行くとギンムクドリのオス、メスに会えました。オスは地元で会ったことがありますが、メスは初めてです。間もなく飛んでしまいました。大峰荘の前を通ってアカヒゲ温泉方面を見ているとヤツガシラが飛びました。すぐ先の草地に降りたのですが、また飛んでしまいました。このヤツガシラは警戒心が強いようでなかなか写真に撮れません。ヤツガシラを追いかけて神社方面に行くと、近くの樹にコムクドリの群れがとまっていました。今年は昨年と違って、樹に葉が生い茂っていて鳥の姿を確認するのが大変です。

 東浜に行きました。浜には何もいませんでしたが、途中でノビタキ、セッカ、キマユホオジロ、アオハライソヒヨドリ、ミサゴなどがいました。展望台にも行ってみました。目の前からヤツガシラが飛び出しました。写真が撮れたのは遠くにいる姿でした。ヘリポートにいたツバチがここに来ていました。このツバチは愛想が良く近くに寄ってきてくれました。

 再びガジュマルポイントに向かいます。ここではチュウサギが池の向こう側にいました。また、ズアカアオバトが近くの樹に来てとまってくれました。こういうことも時々あります。待つことも必要なのですね。

  帰りに寄ったグランドにはタイワンハクセキレイがいました。

 2日目はツグミのシャワーのような飛翔に驚かされた一日でした。

   3日目(4月18日)

 今日は雨の予報ですが、昼過ぎに上がるということでした。しかし、結果的には、雨は一日中降り続いてしまいました。

 朝、5時半に出ました。グランドではギンムクドリの雄がムクドリと混じっていました。昨日観察された個体だと思われます。ガジュマル付近ではサンショウクイがいました。しかし、それ以上の成果は上がらず、朝食に戻りました。

 朝食後はクロウタドリを見たという情報があり、そこで待つことにしました。雨が降り続いているので、車の中でじっと待ちました。途中ヤブサメが姿を見せましたが、クロウタドリは出てくれませんでした。かなり頑張ったのですが、成果は上がりませんでした。

 昼近くになったので、東浜に行くことになりました。途中ヘリポートにはタイワンハクセキレイがいました。港に続く下り坂付近でエゾムシクイに似たムシクイがいました。これについても、宿に帰ってからの検討でウスリー(アムール)ムシクイということになりました。嘴の長さがエゾより短めでした。

 セメントプラント付近ではシベリアアオジがいました。

 戻る途中の牛舎では、ヤブサメ、ノジコ、センダイムシクイがいました。雨はやむ気配が一向にありませんでした。今日奄美から3人のカメラマンがやってきました。午前中、シマノジコを見たという話を聞きました。そのポイントに出かけました。歩いて探しました。しばらく時間をかけました。しばらく歩きながら探していると、近くの畑にいました。初見の鳥です。飛島では姿を見たことがあるのですが、写真を収めることができませんでした。今回は失敗は許されません。背中ばかりの写真になりましたが、どうにか収めることができました。鳥は間もなく姿を見せなくなりました。付近を捜すと再び見つかりました。しかし、すぐに飛んでしまいました、その後を追いましたが、どんどん遠くに行ってしまいました。車を置いたポイントに戻ってみるとそこに戻ってきたようです。

 ヤツガシラにも雨の中、会うことができました。どうにか写真に収めることができました。

 ガジュマルポイントでは、アカヒゲ(メスと思われる)に出会うことができました。暗い中での撮影で、証拠写真となりました。

 帰りがけヘリポートに寄ってみるとマミチャジナイが2羽いました。

 一日中雨になってしまいましたが、シマノジコを始め2種ゲットできました。

  

  4日目(4月19日)

 今日はよい天気になりました。朝探ではクロウタドリを見ることができました。診療所先の畑でした。暗い中での撮影で、ISO感度が大きく、シャッター速度も出ません。ブレブレの写真になってしまいましたが、一応1種ゲットです。メスタイプの鳥でした。この付近で謎の鳥を見た人がいました、最初ヤマシギではないかと言っておりましたが。翌日もその姿が確認され、ミゾゴイということになりました。

 お寺付近では、カラアカハラが出ました。今回はカラアカハラの姿はよく見かけます。写真はなかなか撮れないのですが…。ツグミより、カラアカハラの方が多いように感じました。

 ガジュマル付近の畑ではシロハラホオジロが出てくれました。

 朝食後は南之浜に出かけました。そこでは何人かの鳥見人と出会いました。今日の朝着いた船で来た人たちです。全部で17人の団体さんです。何人か顔見知りの人がいました。海岸ではアカガシラサギがいました。今回初めての出会いです。しかし、近くでは見ることができませんでした。他には、ムネアカタヒバリ、ミサゴ、ノビタキ、エゾムシクイウスリームシクイ)がいました。ノゴマもいたと聞いていましたが、見ることができませんでした。またアマサギの群れが近くを飛びました。きれいな色をしていました。

 東浜に向かいました。途中アマサギが牛の上にとまっていました。先ほど見たアマサギと思われます。今日はアオハライソヒヨドリは見ることができませんでした。集落に戻る途中、タイワンハクセキレイがヘリポート付近にいました。

 ガジュマル付近ではミゾゴイが姿を見せてくれました。えさ取りをしました。ミミズを捕まえたのですが、根に引っかかったのか、なかなか嘴が抜くことができませんでした。近くで見ることができました。

 お寺付近の田んぼではまたギンムクドリのメスを見ることができました。今回は近くで見ることができました。

 診療所とコインランドリーの間の畑でアカマシコ(メスタイプ)を見ることができました。最初は畑の中から飛び出しました。その後は枯れ木に何回かとまりました。最初アカマシコと同定できなかったのですが、いろいろな人の話を総合してアカマシコとなりました。付近ではビンズイ、オオルリも見ることができました。

 また、南之浜に行きました。今回はマミジロタヒバリ、コサメビタキ、ムネアカタヒバリを見ることができました。

  この日の最後はガジュマルポイントでアカヒゲを見ました。出が少し良くなったようです。

 

   5日目(4月20日)

 朝探はいつものように5時半に出ました。診療所付近ではコホオアカがいました。また昨日のポイントにアカマシコが再び出てくれました。神社付近ではカラアカハラ、シロハラホオジロが姿を見せてくれました。学校付近ではコルリ、大峰荘付近ではコムクドリ、カラアカハラがいました。ガジュマル付近の畑ではマミチャジナイがいました。ヒメアマツバメが上空を飛んでいました。

 朝食後は、ヘリポートでマミチャジナイを見て、南之浜に向かいました。ムネアカタヒバリは相変わらず顔を見せてくれました。鳥をいろいろ探していた時です。放送が入りました。明日の上り便は欠航となり一日遅れるという内容の放送でした。目の前が暗くなりました。その船に乗って鹿児島に向かう予定だったからです。帰京した後、次の予定が入っている人もおり、今後の対応をどうするか決めなければなりません。ここでは珍しいカワセミを見つけたのですが、半分、上の空状態でした。

 とりあえず、飛行機の変更をしなければいけません、宿に戻りました。宿の女将に聞くと、欠航の場合は欠航証明が出され、変更可能なようです。しかし帰る日が土曜になったため、早めに座席の確保をしなければなりません。22日に着く船でその日の最終便の飛行機に間に合えば良いのですが間に合いそうもありません。結局23日の便を確保することで落ち着きました。

 再び、鳥見に戻りました。イナバヒタキが出たという情報を聞きました。ちょうど船の欠航でバタバタしていた時間です。場所はグラウンドでした。そこで待つことにしました。風が強くなかなか現れませんでした。しばらくしてそれらしき鳥が出てきました。一生懸命写真を撮りました、一段落して、撮れた写真を他の人に見てもらったところ、それはノビタキということになりました。一瞬の喜びが落胆に変わりました。その後も待ちましたが、現れませんでした。

 未練がありましたが、あきらめて東浜に行くことにしました。ゴイサギシベリアアオジしか見れませんでした。最後はまたガジュマルポイントでアカヒゲに付き合ってもらいました。

  

   6日目(4月21日)

 実質の最終日です。予報では朝から強風、大雨です。しかし雨は降っていません。朝探は荒天で鳥が降りるのではないかとの期待もあり、5時にスタートしました。しかし、この時間はさすがに暗く鳥の姿は見ることができません。

 明るくなったころ、マミチャジナイを見た程度でした。以外に鳥は入ってきていませんでした。

  朝食後は風があまり当たらない場所で鳥見をすることにしました。グラウンド付近とガジュマルポイントを行ったり来たりしました。鳥は期待したほど降りてきませんでした。またアカヒゲもどういうわけか出が良くありません。完全の息詰まり状態です。唯一ミヤマホオジロが展望台への分岐近くにいると聞き、何回か往復しました。鳥は見ることができましたが、写真は撮れませんでした。(ミヤマホオジロは宿の畑にいることが分かり、宿に着いてから写真を撮りました。)

 グラウンドで白っぽい鳥を目撃したと聞き、イナバヒタキではないかと探しましたが、結局だめでした。

 天気予報ははずれ、雨が降り出したのは、夕方になってからでした。しかし、強風は予報通りで伸びた一日は無駄な一日となりました。

  7日目(4月22日)

 今日の船で鹿児島に帰ります。朝探に出かけました。コインランドリーの付近でヒヨドリを見つけました。少し黒っぽい感じです。アマミヒヨドリかもしれません。診療所そばの樹にムシクイがいました。頭央線がなく翼帯が2本確認できました。キマユムシクイということになりました。あまり成果が上がらず。朝食に戻りました。荷造りは昨夜のうちに済ませていたので、食後すぐに出発しました。港に向かう牛舎でコホオアカを見ることができました。展望台でマミジロツメナガセキレイが出ていると聞きましたが、時間もなく海岸をのぞいて港に向かうことにしました。海岸にはコサメビタキしかいませんでした。

 船は予定より遅れて、10時近くの出港となりました。途中カツオドリが何回も近くに来てくれました。トビウオを捕まえる場面も見ることができました。またオオミズナギドリの群れも何回か見ることができました。

 カツオドリもオオミズナギドリも見られなくなったころ、クロトウゾクカモメシロハラトウゾクカモメが飛びました。私はシロハラトウゾクの方しか気が付きませんでした。遠くでボケボケの写真でしたが、シロハラトウゾクと同定できました。

 船は鹿児島港に7時40分に着きました。今夜泊るホテルにチェックインして、食事に出かけました。「黒岩ラーメン」という店でした。食後コンビニでビールを買い、部屋で飲みながら今回の遠征を振り返りました。

 今回もミヤマヒタキには会えませんでしたが、島ではシマノジコ、クロウタドリ、ウスリームシクイなどに会うことができました。航路ではシロハラトウゾクカモメに会うことができました。長期の遠征で疲れることもありましたが、楽しい鳥見となりました。

  これも同行いただいた3名の方のご協力があってのことと思います。いつもながらのご協力に感謝申し上げます。

  自宅には23日の2時頃には到着しました。