2017年平島遠征(4月22日〜26日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト

   航路・平島の鳥の写真(4月22日)  平島の鳥の写真(4月23日)   平島の鳥の写真(4月24日) 平島の鳥の写真(4月25日)                           

 

   平島に出かけました。昨年、一昨年に続いての3回目の遠征です。昨年のメンバー一人と今回初参加の3人そして私を含めて5人です。私以外は、皆さんウォチャーの方で鳥を見つけるのが大変たけていると聞いております。期待が大きいです。
  時期は昨年より約1週間遅くなりました。今年はまだ出ていないミヤマヒタキなどに会えればと考えていました。日程は例年通り現地4泊の予定です。

  羽田を15時55分発の飛行機に乗りました。鹿児島空港には予定通り、17時45分に到着しました。ここでバスに乗り換え市内に向かいます。天文館というバス停でおり、昨年と同じバス停近くの「こむらさき」というラーメン屋で食事をしました。そして、明日の朝食、昼食をコンビニで買い、フェリー乗り場に向かいます。フェリーの出発は23時です。待合室で、3名のグループに会いました。一人は1月に宮ケ瀬でご一緒した方です。

 船内は昨年と違い、ほぼ満席の状態でした。すぐに横になりました。

      初日(4月22日) 

 口之島に着く頃眼をさましました。5時過ぎでしたが、まだ薄暗いです。明るくなるのを待って、デッキで鳥見をします。雲が垂れ下がり、細かな雨が降っています。イルカが群れで泳いでいました。写真を撮ろうとしますが、どこに出るか予想ができず、空振りに終わりました。

 中之島を出ると、カツオドリが現れました。時々近くを飛んでくれました・トビウオを追いかけているようです。いつもこの周辺でカツオドリは見ることができます。次いで、諏訪ヶ瀬島に寄ります。アマサギの群れを見ることができました。デッキには広島の尾道からきているご夫婦2組と滋賀県からの男性計5名と一緒になりました。

 船は平島に約30分の遅れで9時頃に到着しました。まず、宿に向かい、荷物を下ろすことになりました。

 スタートの前に、宿の庭をのぞいてみます。キビタキを含めて何羽かの鳥がいましたが、キビタキしか分かりませんでした。しかし、鳥影が多かったので、期待が膨らみます。
 先ずは、南之浜に向かいます。この場所に数日前からクロジョウビタキが出ているようです。お初の鳥なので力が入ります。ただ雨が降っていて、時々強く降ります。傘を持っての鳥見となりました。向かって右側の笹原には、毎回いろいろな鳥が来てくれるのですが、今回はセッカの声しか聞こえません。
 海岸に目を向けます。カラシラサギが観察できました。きれいな繁殖羽の個体です。続いて、セイタカシギチュウダイサギアマサギが見られました。アマサギもきれいな個体です。またチュウサギが目の前にいました。途中、左の笹薮にオオヨシキリを見ることができました。この鳥は最初ウチヤマセンニュウか、エゾセンニュウかと思われましたが、結局オオヨシキリということになりました。初めての鳥です。海岸の波打ち際には、タイワンハクセキレイ、ツメナガセキレイ、ハクセキレイなどが見られます。しかし、目的のクロジョウビタキは見つかりません。きれいなカラシラサギ、アマサギを見ることができ、満足して次の場所に移動します。

   続いて訪れたのは、東之浜です。途中のヘリポートには何もいませんでした。浜近くのセメントプラントの前で、きれいなビンズイがいました。オレンジ色がかった胸をしていました。このような個体を見るのは初めてです。
 浜に向かいます。キセキレイ、コサメビタキ、サメビタキ、オオメダイチドリ、キビタキを見ることができました。最初このキビタキはマミジロキビタキではと思われましたが、普通のキビタキでした。雨のせいでこの辺りに降りている鳥が多くみられました。また上空をアカガシラサギが飛んでくれました。

 浜からの帰路では、シロハラホオジロ、シベリアアオジ、コサメビタキ、キマユホオジロを見ることができました。このころから降り続いていた雨はすっかり上がっていました。去年もウスリームシクイが出た場所です。次に、展望台に行きましたが、成果は上がりませんでした。

 集落に向かいます。シベリアムクドリ、キビタキ、ビンズイが見られました。シベリアムクドリは最初コムクドリと考えていたのですが、翌日のシベリアムクドリを見て、コムクドリではないと確認されました。診療所先の牛舎ではヤツガシラ、ノゴマがいました。ここにいる牛はそろそろ出産だそうです(翌日無事に生まれていました。)。学校の校庭ではコホオアカを2羽見ることができました。またクロジと思われる個体もいました。

 千年ガジュマルのポイントに向かいます。ここではいつものようにアカヒゲを見ることができました。去年と同じ個体と思われます。ここからもサシバを見ることができました。グランドでは、きれいなムネアカタヒバリが見られました。また上空には、ツバメ、アカハラツバメ、コシアカツバメが飛んでいました。ツミも飛んでいました。

 再び南之浜に行くことになりました。今度は、浜に降りて観察しようということになりました。向かう途中、平和荘前ではヤツガシラが現れました。このヤツガシラは去年の個体と違って、いろいろなところに顔を出し、あまり警戒心が強くありません。海へ向かう坂道では、カラアカハラが枝にとまっていました。
 浜に降りるには少し滑りやすい箇所を通ります。それでも鳥見たさに頑張りました。朝、いたカラシラサギなどはいませんでした。ムネアカタヒバリ、ビンズイ、ジョウビタキ、ノビタキ、イソヒヨドリ、アオハライソヒヨドリがいました。アオハライソヒヨドリは昨年に続き2年連続です。またここにいたノビタキは眉斑がはっきりしていて他のヒタキではと感じさせるものがありましたが、結局ノビタキということになりました。ここで、この日の鳥見は終わらせる予定でしたが、ヨタカが見られるという連絡を受けて、最後にそちらへ行くことになりました。

 場所は、グランド近くの道路わきだそうです。行ってみると、カメラマンが何人かレンズを向けていました。ヨタカは疲れているのか、うっすら目を開けるだけで、全然動きがありません。ヨタカとの出会いはほぼ1年ぶりですが、写真撮影は久しぶりです。

 宿に戻ったのは、7時近くになっていました。先に食事をして風呂に入ることになりました。ここでの楽しみは夕食に出る魚介類です。しかし、私は、少しおなかの様子がおかしく、それを気にしての食事となりました。それでもお刺身をはじめ出されたものはおいしくいただきました。

 スタート初日は、鳥の数は多かったのですが、種類としては昨年と比べるとパッとしませんでした。これからに期待することにして早めに布団に入りました。  

   2日目(4月23日)

 昨日、雨が降りましたので、今日は新しい鳥が入っていないかと考えていました。今日は一日良い天気になりそうです。朝は6時前に出ました。徒歩で集落を回りました。
 コインランドリー先の畑にはビンズイがいました。またアカヒゲが電線にとまっていました。またコホオアカが昨日と同じ校庭にいました。コムクドリが大峰荘の上の電線に4羽止まっていました。平和荘前の水芋田んぼには、セイタカシギが見られました。しかし、朝探ではあまり成果が上がりませんでした。

 朝食後は、南之浜に行くことになりました。途中ヘリポートによりましたが、鳥の姿は見られません。また浜に降りる途中にある牛舎を覗くと、マミチャジナイを見ることができました。いつもは、いろいろな鳥が見られるのですが、少し拍子抜けでした。
 南之浜では、昨日と同様、下に降りることにしました。まず見つかったのは、タイワンハクセキレイです。ここではハクセキレイ類ではこの種が一番多いと感じます。続いてキセキレイと思しき鳥がいました。しかし、よく見ると、目の周り、額部にも黄色みがあります。キガシラセキレイです。3年前にもこの場所で出たと聞いていました。なかなか近くでは撮ることができませんでしたが、どうにか証拠写真は撮ることができました。私がキガシラを追いかけているとき、クロジョウビタキを同行者が見つけました。しかし、すぐに飛んでしまって、私は見ることができませんでした。
 他にはアオハライソヒヨドリ、イソヒヨドリ、マミチャジナイ、謎のノビタキ、イソシギ、チュウサギ、ツバメを観察できました。沖合では、オオミズナギドリ、カツオドリを見ることができました。

 展望台に行くことになりました。展望台に分岐するポイントでトラツグミが現れました。展望台方面は相変わらず、鳥が少なく、ルリビの雄がいた程度でした。

 続いて、千年ガジュマル方面に行きます。あまり、見るべきものがありません。グランドでツバメを見ました。ツバメに交じって、アカハラツバメ、コシアカツバメも見られます。他にアカハラ、シロハラもいました。また、ハチジョウツグミのような個体がいましたが、すぐに見られなくなってしまいました。

 宿に戻って昼食をしようとすると、ヤツガシラがいました。電線にとまったり、山の中腹の土が露出している場所にとまったり、いろいろサービスしてくれました。

 昼食後は、お昼寝タイムとなりました。

  午後はまず、千年ガジュマル方面に向かいます。途中ではミヤマホオジロが見られました。千年ガジュマルでは、アカヒゲの雄、雌が出ました。この2羽はペアになっているようです。少し先に進んだ場所では、ルリビタキ、オジロビタキ、などが頻繁に出ました。また近くではズアカアオバトが鳴きました。鳴き方が少し変だったのですが、上を見ると、2羽で交尾をしていました。初めて見る光景です。近くには巣があるようです。
 この周辺ではムシクイ類もいました。センダイムシクイのようです。またキクイタダキも見られました。

 グランドに向かいます。サシバが上空を飛びました。カラアカハラもいました。バンケンも出たときいていましたが、見ることができませんでした。ここでチャック事件が発生いたしました。内容は関係者のみ知るということになっています。その関係で、私ともう一人が宿に戻ることになりました。途中、シロハラホオジロを公民館横のビニールハウス前で見ることができました。また、即売所前の水芋の水田にはタカブシギ、チュウサギがいました。

 宿から再びグランドに戻る途中、大峰荘前で人が集まっています。聞くと、シベリアムクドリがいるようです。2年前に外した鳥です。メスでしたが、近くで見ることができました。メスでしたが、うれしい成果でした。チャック事件のおかげともいえると思います。

 二日目は天気に恵まれ、キガシラセキレイ、シベリアムクドリのライファーをゲットできました。

  

   3日目(4月24日)

 今日は16時過ぎに雨が降るという予報です。しかし、朝から曇っています。朝探は6時前から始めました。最初に見ることができたのはヤツガシラです。続いて千年ガジュマルへ行く途中でミヤマホオジロを見ることができました。またハヤブサも確認できました。

 朝食後は、お寺の先の道を行くことにしました。今回初めてです。昨年まで開けていた場所の一部は、水芋の田んぼになっていました。そこにセイタカシギがいました。きれいな個体でした。その後、グランド、千年ガジュマル付近を回りました。サシバが上空を飛びました。
 10時頃になると雨が降り出しました。予報より早く、しかも思った以上に強い降りでした。宿に戻ることにしました。雨が小やみになるまで待つことにしました。庭にいろいろ鳥が出てきますが、窓を開けて撮影しようとすると、出てこなくなります。唯一出てくれたのは、イタチでした。昼飯を早く食べ、雨が少し収まった12時過ぎにまた出ることにしました。

 南之浜に行きました。途中のヘリポートではムナグロが見られました。南ヶ浜ではイソヒヨドリ、セイタカシギ見られました。セイタカシギは3羽いました。東風が強く、小鳥類はほとんど見られなせんでした。もちろん期待したクロジョウビタキも現れませんでした。
 アオアシシギ
がセイタカシギの近くに現れました。今回初めての出会いでした。そのうちまた雨が降り出しました。また宿に戻りました。

 雨が小やみになってきた3時半過ぎにまた出ました。グランド周辺に行きました。途中、ミゾゴイを見ることができました。車に驚いて飛んでしまいましたが、後ろ姿をはっきり確認できました。後で聞いた話ですと、南ヶ浜にもいたようです。
 
サシバが飛んでくれました。そして、遠くの樹に何羽かのサシバが止まっていることも観察できました。そのとまっているサシバを見ながら移動しました。サシバの近くをツバメがたくさん飛んでいました。モビングをしているようにも見えました。ハイタカも見ることができました。最後にヘリポート近くの民家付近でヤツガシラを見ることができました。

 この日は予想外の雨であまり成果が上がりませんでした。 

   

  4日目(4月25日)

 実質上、今日が最終日です。しかし、明日の船の出航が微妙という話も聞いています。良い天気になりました。しかし、風が強いです。
 6時前に出ます。サシバが次から次へと飛んできます。昨日ここに降りた個体のようです。診療所先の畑にはシロハラがいました。大峰荘上の電線にはコムクドリがとまっています。ヤツガシラも顔を見せました。校庭のコホオアカは見えなくなりました。グランドから千年ガジュマルにつながる道ではカラアカハラ、クロツグミが見られました。暗い中での撮影で、ISO感度が大きくしても、シャッター速度も出ません。ブレブレの写真になってしまいました。

 朝食後は寺の先の道に行きました。寺の先で、シロハラクイナを見ることができました。水芋の水田には、セイタカシギチュウサギ、タカブシギがいました。また水田の先の草地にはムネアカタヒバリが観察されました。カラアカハラも見ることができました。平和荘前ではシマアカモズを見ることができました。今年はなかなか見ることができなかったのですが、やっと見ることができました。また、千年ガジュマルからアカヒゲ温泉に向かう途中でヤマシギと思しき鳥も見ることができました。

 東之浜に向かいました。途中の牛舎付近で電線にツバメ、アカハラツバメがとまっていました。東浜周辺では、ノジコ、タヒバリ、シベリアアオジを見ることができましたが、浜にはほとんど鳥がいませんでした。帰路ではチョウゲンボウが飛んでくれました。展望台分岐点付近で新しいポイントを見つけました。水芋の水田で、ゴイサギがいましたが、すぐに飛ばれてしまいました。このころは、今回の目標100種に向けカウントダウンとなっていました。新しい種類が増えるたび、「あといくつ」が話題となりました。

 アカヒゲ温泉わきの道から、千年ガジュマル方面に向かいます。朝方、いろいろ鳥が見られた松の樹を見てみます。朝見られた胸の黄色い鳥を再び見ることができました。上面は茶色ですが、胸は黄色い鳥です。国内では該当する鳥がいなく、外国からのお客さんではないかと大騒ぎになりました。他所にいたカメラマンも集まってきました。しかし、出たのはそのあと1回きりでした。この鳥を後で宿に帰って画像をよく確認したところ、リュウキュウキビタキの幼鳥ではないかということになりました。大きな期待を持たせたのですが、残念な結果に終わってしまいました。これも良い思い出です。

 明日の船の出航について放送が入り、予定通り出航ということで胸をなでおろしました。南之浜に向かいました。今回は上からの観察となりました。きれいな色のビンズイ、コチドリ、チュウシャクシギを見ることができました。チュウシャクは3羽確認できました。ダイシャクもいるという話でしたが、確認できませんでした。

 リュウキュウキビタキポイントを経て、千年ガジュマル方面に向かいます。期待したミゾゴイは出ませんでした。グランドで上空のツバメを観察しました。ツバメのほかに、アマツバメハリオアマツバメが観察できました。集落で、少しアマツバメらしい写真が撮れました。

 集落を徒歩で回りました。お寺付近の畑では、アトリ、シロハラホオジロなどを見ることができました。昨年シマノジコがいたポイントです。鳥が集まりやすいポイントがあることを実感しました。

  この日が平島での最後の夕食になりました。明日の船が出るということで皆さんほっとしていました。リュウキュウキビタキ騒ぎで盛り上がりました。明日は天気予報では雨が降り、風も出て、荒れるようです。

   

  5日目(4月26日)

 今日の船で鹿児島に帰ります。朝探に出かけました。雨がかなり強く降っています。風も強いです。車の中でからの鳥見となりました。シロハラ、アカハラ、ミヤマホオジロ、クロツグミ、セイタカシギ、チュウサギなどを見ることができました。

 船は予定より遅れて、9時過ぎの出港となりました。港は東之浜です。役場のバスで港まで送ってもらいました。
 甲板に出て鳥見を始めましたが、視界が悪く、近くの鳥しか見ることができません。また波しぶきがあって、なかなか困難を極めました。それでもオオミズナギドリの群れを何回か確認できました。
諏訪ヶ瀬島に着く直前、少しトラブルがありました。しかし結果的には大事に至らず、ほっとしたところです。

 船は鹿児島港に7時40分に着きました。今夜泊る宿泊場所(グリーン、ゲストハウス)にチェックインして、食事に出かけました。「豚トロラーメン」という店でした。おいしいチャーシューが印象的でした。食後コンビニでビールを買い、部屋で飲みながら今回の遠征を振り返りました。

 今回もミヤマヒタキには会えませんでしたが、キガシラセキレイシベリアムクドリなどに会うことができました。鹿児島で見た鳥も含めて100を超える成果が上がりました。トラブルはありましたが、楽しい鳥見となりました。

  これも同行いただいた4名の方々のご協力があってのことと思います。皆様のご協力に感謝申し上げます。

  自宅には27日の5時過ぎには到着しました。