2015年平島・奄美大島遠征(4月25日〜30日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト

                                          平島の鳥の写真(4月25日)    平島の鳥の写真(4月26日)

                           平島の鳥の写真(4月27日)    平島の鳥の写真(4月28日)

                            奄美大島の鳥の写真(4月29日)  奄美大島の鳥の写真(4月30日) 

 

   平島に出かけました。昨年行った方がいて鳥が色々見られそうです。その後、奄美大島に寄る予定です。私にとってはいずれも初めての場所です。与那国・石垣遠征メンバーに若干人が入れ替わりましたが、ほとんどいつもご一緒していただく方ばかりです。私も含めて5人です。事前情報で、平島にはわくわくするような鳥が入っているようなので楽しみです。しかし、ここ数日好天が続いているので抜けてしまっているのではないかと心配もしています。

  羽田を15時05分発の飛行機に乗りました。鹿児島空港には予定通り、16時50分に到着しました。ここでバスに乗り換え市内に向かいます。市内で食事をし、フェリー乗り場に向かいます。フェリーの出発は23時です。

 平島には8時10分の到着予定です。船内は空いていると思いましたが、予想以上に人が乗ってきました。鳥見と思われる人も我々以外に1グループ、と2人確認出来ました。翌日に備えてすぐに横になります。

      初日(4月25日) 

 5時過ぎに眼をさましました。明るくなるのを待って、デッキで鳥見をします。途中の寄港する島ではゴイサギ、イソヒヨなどが観られました。また船と並走するカツオドリも見ることができました。事前に見られるだろうと教えていただいていました。1種ゲットです。

 船はほとんど大きな揺れもなく、平島に30分遅れで到着しました。港で直近の鳥情報が入手できました。港の近くでシマアオジがペアで見られると聞きました。車は26日のみと聞いていたのですが、今日も半日使えそうです。早速シマアオジポイントに向かいます。 

  シマアオジポイントでは、ビンズイが見られました。キタツメナガセキレイを見た人もいました。シマアオジを探します。数日前から来ている人にも会いました。シマアオジの他に、ヒメコウテンシなどもいるようです。ポイント周辺を探しますが、シマアオジもヒメコウテンシも見つかりません。シマアオジが良く出るポイントに戻ってすぐに、オスのシマアオジが見つかりました。きれいな鳥です。あこがれの鳥の一つなので、シャッターをオス指に力が入ります。そのためか最初の数枚は手ぶれを起こしていましたが、何とか写真撮ることができました。また1種ゲットです。幸先よいスタートです。

  続いて、車があるうちに遠くの場所に行こうということで、展望台に向かいます。途中で先ほどあったカメラマンにまた会いました。カンムリオウチュウ、オウチュウ、ベニバトを一遍に見ることができたと聞きました。胸が高まります。展望台向かう途中で、オウチュウと思しき鳥を見つけましたが、すぐに飛ばれてしまいました。この鳥はオウチュウと思っていましたが、色合いなどから、カンムリオウチュウだという結論になりました。私は写真は撮れませんでしたが、色合いが印象に残りました。結局、他にはたいした鳥が見られず、帰る途中でベニバトを発見しました。疲れているのか、動きが遅い感じがします。道路の上でしたが、比較的近くで写真が撮れました。

 宿に戻り、荷物をおろし、徒歩での出発です。歩きだすと近くからきれいなさえずりが聞こえます。アカヒゲです。すぐ近くで鳴いているのですが姿が見えません。他にキビタキや、アトリ、オオルリが頻繁に顔を出します。診療所付近の牛舎ではシロハラホオジロも見られました。ポイントである神社には鳥がいませんでした。

 墓地からお寺付近を探します。オオルリ、キビタキ、アトリ以外は姿が見えません。平和荘からグランドに向かう途中ではビンズイの姿を確認出来ました。グランドには鳥影がありませんでした。

 千年ガジュマル付近は樹がうっそうと繁っています。この付近でもアカヒゲが良く鳴いています。千ガジュマル入口でアカヒゲが顔を出しました。きれいなオスでした。なかなか姿を見せない鳥を見ることができて幸運でした。その後、来た道を引き返し、学校などを寄りますが、あまり成果は上がりませんでした。

 診療所、牛舎付近が鳥の密度が高いということでその付近に戻ります。しかし、なかなかめぼしい鳥は見つかりません。そうこうしているうちに、同行者の一人がシべリアムクドリを見たという情報をもたらしました。急いでその場所に向かいます。そこでしばらく待ちましたが、出てくれませんでした。いるのはコムクドリばかりでした。サンショウクイも観察できました。

  車が使えるということになり、展望台付近に行くことになりました。オウチュウを見たという話を聞き、それを目指していきました。途中ベニバトは先ほど見た場所に近いポイントにいました。オウチュウは教えてもらったポイントにいました、電線にとまっていました。近くで見ることができました。付近にはサシバも見ることができました。

  新しい港付近に行くことになりました。展望台からの道を戻り、ヘリポートまで行かず、左折します。途中、ホオアカ、アトリなどがいました。共同牛舎ではキセキレイタイワンハクセキレイがいました。下の海岸ではアカガシラサギが3羽観ることができました。また、引き返す途中ではカンムリオウチュウの姿を一瞬見ることができました。先ほど見たポイント〜下ったところでした。カンムリオウチュウはこの付近を上下しているのではないかという結論になりました。

 また千年ガジュマルに行きました。ムシクイらしき鳥が2羽いました。貯水池にはチュウサギがいました。ここがねぐらのようです。

  この平島は日没が7時頃ですが、食事が7時からということで少し早めに引き上げました。

  食事の前に近くにあるアカヒゲ温泉に行きました。この温泉は火、木、土だけ入れるそうです。村の人ふたりと子供が数人、学校の先生が入っていました。村の人といろいろ話ができました。トカラ列島はどの島も温泉があるようですが、近くにあるところは少ないようです。温泉は27度なので沸かしているようです。200円の入湯料は安いと思いました。

  夜はお酒を少しいただき明日に備えて早めに布団に入りました。   

   2日目(4月26日)

 朝5時半に出発しました。車で、千年ガジュマルに向かいます。昨日とは違ったルートを通りました。途中アカショウビンの声を聞きました。アカヒゲも良く鳴いています。ルリビタキシロハラがいましたが、他にはめぼしい鳥はいませんでした。

 千年ガジュマル入口で待つことにします。上の山腹でズアカアオバトカラスバトが飛びます。遠くですが枝にとまっている姿も確認出来ました。

 大峰荘付近のシベリアムクドリポイントに向かいます。ここには相変わらずコムクドリが集まっています。キビタキオオルリも顔出しますが、目的の鳥は現れません。なかなか手ごわい鳥です。もう抜けたのかもしれません。

 朝の食事時間は7時半です。時間が迫ってきたので、移動します。神社付近でズアカアオバトがペアでいました。近くで写真が撮れました。ここのズアカアオバトは与那国のチュウダイズアカアオバトとは違う亜種です。

 朝食後も>まずシベリアムクドリポイントに行きました。コムクドリはいましたが、シベムクは見つかりません。やはり抜けてしまったのかと思いました。神社方面に行ってみました。イイジマムシクイが見られたという情報があったからです。イイジマムシクイはいませんでした。しかし、シマアオジのペアを見ることができました。診療所の横の竹の上にとまりました。

 千年ガジュマルに行きました。アカヒゲが出てくれました。今回はメスも出てくれました。オスメスとも写真に撮れました。ラッキーでした。なかなか見ることができないアカヒゲをペアで見れたのは鳥運に恵まれているのではないかと感じました。

 漬丼の昼食をおいしくいただき、午後からも各所を回りました。展望台方面に行きました。カンムリオウチュウを狙いです。ポイントで粘りました。ポイント上の山腹でカンムリオウチュウの姿が確認されました。なかなか姿を見せてくれませんでしたが、時々飛んでくれ、どうにかカンムリオウチュウの撮影ができました。なかなかの強敵であったカンムリオウチュウを撮れてひと安心でした。その後何回かその姿をを見ましたがすぐに飛ばれてしまいました。一度はカンムリオウチュウとオウチュウが並んでとまりましたが、カンムリオウチュウはすぐに飛んでしまいました。オウチュウのみ電線で撮ることができました。

 その後は、南之浜の海岸に行きました。ヒメコウテンシがいました。しかしこのヒメコウテンシは嘴がイスカのように交差しています。そしてヒメコウテンシとは少し雰囲気が違います。クビワコウテンシではないかという話題になり、結論はペンディングとなり、モンゴルの知り合いのガイドさんに聞くことになりました。

 ここにはオオムシクイもいました。また、シマアオジのペアも見ることができました。写真はピントが両方にあいませんでした。

 この日の収穫はカンムリオウチュウでした。粘った甲斐がありました。シマアオジもアカヒゲもメスを見ることができました。全体的に昨日よりは鳥の数が減りましたが、収穫は十分上がりました。

   3日目(4月27日)

 今日は5時に出ました。今日も千年ガジュマルに行きました。アカショウビンの声はしました。ここのアカショウビンはリュウキュウアカショウビンではなく、本州のアカショウビンと同じようです。マミジロキビタキが前日見られた場所に行きましたが、残念ながら現れませんでした。朝食前はあまり成果が上がりませんでした。

 朝食後は、ガジュマル吹きに行きましたが、特に成果は上がりませんでした。マミジロポイントの近くで、イカルが1羽いました。その後は、南之浜の海岸に行きました。ツバメチドリがいました。かなり疲れているようでした。近くに寄ってもあまり飛びませんでした。昨日いたヒメコウテンシは姿が見えませんでした。シマアオジもいませんでした。展望台近くにいたオウチュウ、カンムリオウチュウも観ることができませんでした。

 昼食後も海岸に行きました。ツバメチドリはまだいました。午前よりは元気になっていました。他にはシロガシラの幼鳥と思われる個体がいました。眼の様子などはキビタキのメスに似ているのですが、尾羽が長く、全体的にオリーブ色を帯びています。結論としてはシロガシラの幼鳥としました。

 港付近に行ってみるとササゴイがいました。また港の上空をカツオドリが飛んでくれました。

 南之浜の共同牛舎ではシロハラクイナと思われる鳥も観察できました。他の鳥も観られましたが、種の同定ができませんでした。千年ガジュマル付近に行きました。入口付近に出たアカヒゲとは違う個体のアカヒゲが姿を見せてくれました。

 今日は昨日よりもさらに鳥に数が減っていました。それでもツバメチドリなど新しい鳥も入ってきました。

 

  4日目(4月28日)

 昨夜から雨が降りました。朝も小雨ですが降り続いていました。雨で、新しい鳥が入ってくれればと期待しましたが、期待は外れていました。唯一寺付近でカラスバトが見られました。グランドではツバメチドリがいました。昨日海岸にいた個体と同じかどうかは不明です。 平島最後の鳥見も成果が上がりませんでした。

  奄美大島に向かうフェリーは少し遅れていました。雨が降り続いていました。8時半過ぎに出港した、フェリーは奄美大島に向かいました。甲板で鳥見をしました。雨と波がしらが吹き込みます。

 しかし、がんばったおかげで、成果が上がりました。トウゾクカモメを見ることができたからです。しかし、その後は波が荒れ、船室で睡眠をとりました。

  奄美大島には約1時間遅れて到着しました。16時頃になりました。港は横殴りの雨でした。今日予定していた夜探、明日の朝探は中止し、あすの夜探に振り替えることにしました。

  レンタカーを借りて少し鳥見に出かけましたが、ほとんど鳥を見ることができませんでした。ゴイサギを1羽見ることができました。宿はウィークリーマンションでした。 

 夜は鶏飯という地元の名物料理を食しました。

   5日目(4月29日)

 アマミの初日は5時に出発しました。まず、龍郷町にある自然観察の森を目指します。

 行く途中の道も鳥の出現が期待できる場所でしたが、雨が降り続いていて鳥の姿は見ることができませんでした。現地についても雨が降り続いていました。今日帰る人の希望もあり、ハイイロオウチュウが出ているポイントに移動します。

 笠利町にある総合グランドです。しかし、鳥の姿は見つかりませんでした。キガシラセキレイが出ていた宇宿の港も観ましたが、鳥の姿は確認できませんでした。大瀬の海岸ではシギチサギなどが観察できました。

  自然観察の森に戻ることにしました。森に入る取り付け道路付近でルリカケスを2羽確認出来ました。森ではシジュウカラ、コゲラ、ヤマガラを見ることができました。オーストンオオアカゲラの鳴き声も聞くことができました。しかし、全般的に鳥の出はあまり良くありませんでした。雨のせいだと考えました。

  早めに昼食をとることにしました。目指した「番屋」は定休日で鶏飯の店に行きました。昨日の鶏飯よりはダシが効いていておいしく食することができました。

  昼食後は秋名の田んぼに向かいました。この島で唯一田んぼがある場所だそうです。シギチが期待されましたが、タカブシギ2羽とカルガモ、アマサギ程度しか見ることができませんでした。

  また観察の森に行くことにしました。ルリカケスを観察できました。水場で待っていると東屋の屋根に降りてきました。そして、近くに降りて地面に落ちている木の実を食べ始めました。間に障害物がたくさんあり、写真を撮るのに苦労しましたが、どうにか証拠写真は撮れました。

  ドラミングの音が聞こえました。近くでオーストンオオアカゲラのオスを見ることができました。そのきれいな姿を確認出来ましたが、写真は霧でもやっていて、良い写真は撮れませんでした。今日は夜探があるので早めに上がりました。

  夜探は7時から3時間コースです。期待はアマミヤマシギです。オオトラツグミも見たいのですが、なかなかめぐり合えないようです。コースに入っていきなりリュウキュウコノハズクを見ることができました。続いて、ハナサキガエル、オットンガエル、アカマタ(蛇)、クロウサギなどが見れました。ヤマシギは姿を見せてくれましたが、写真は撮れませんでした。期待外れと少し気落ちしていました。 

 最後に向かった場所はどうやらオオトラツグミのポイントのようです。どうせ駄目だろうと思っていたところ、オオトラがいるよというガイドさんの声…。あわててカメラを向けますが、なかなか思うように行きません。しかしオオトラツグミはその場所でかなり長くいてくれました。そのおかげで写真はたくさん撮れました。

 最後に幸運が待っていました。良い思いで一日を締めくくることができました。

   6日目(4月30日)

 いよいよ最終日です。飛行機は15時35分発です。2時頃まで時間はあります。

; この日も5時に出発しました。目的地は観察の森です。駐車場から違うルートでアクセスします。バス駐車場付近でルリカケスの声が聞こえます。松の枝にとまっていました。森にも入ってみますが、どうやらルリカケスはトイレ周辺に来そうだということになり、林縁を回ってみます。ルリカケスが3羽現れました。比較的近くで観察できました。またこの付近ではメジロ、シジュウカラ、ヤマガラなども見ることができました。オーストンオオアカゲラはなかなか姿を見せません。一度だけ見えるところに来ましたが、写真はうまく撮れませんでした。他には、渡りの途中と思われるヒヨドリの群れ、リュウキュウサンショウクイなどが観察できました。今日は昨日とは違い、雨が降っていないので、鳥の出は良いと思われました。  

 10時にウィークリマンションのチェックを済ませに名瀬に戻り、給油し、空港近くに来て鳥見をすることになりました。宇宿の港には鳥の姿を見ることができませんでした。

  大瀬海岸に移動します。ここでは昨日同様、シギチなどが色々観察できました。シロチドリ、セイタカシギ、オバシギ、ムナグロ、アオアシシギ、イソシギ、クロサギ、アオサギ、ダイダイサギ、ヒドリガモなどでした。また、アカショウビンが近くの樹で鳴きました。姿もちらっと観察できましたが、すぐに飛んでしまいました。

 最後に農耕地やグランド周辺を回ることにしました。オウチュウなどを期待しましたが、観ることができませんでした。それでも、ミフウズラ、リュウキュウツバメ、セッカなどが観察できました。

 

 今回の遠征では、第一の目標であったミヤマヒタキなどには会えませんでしたが、カンムリオウチュウ、オウチュウ、シマアオジ、アカヒゲ、ベニバト、ズアカアオバトを平島でゲットできました。また、航路ではカツオドリ、トウゾクカモメが見れました。奄美大島では、ルリカケス、オーストンオオアカゲラ、リュウキュウコノハズク、オオトラツグミ、アマミヤマシギ、リュウキュウツバメ、リュウキュウサンショウクイ、などを新しいライファーに加えることができました。他にアマミシジュウカラ、アマミコゲラ、アマミヤマガラ、アマミヒヨドリも観ることができ、大きな収穫となりました。

  これも同行いただいた4名の方のご協力があってのことと思います。いつもながらのご協力に感謝申し上げます。

  楽しい6日間の鳥見遠征でした。