2018年6月天売島遠征(6月30日〜7月3日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト               

                                                             鳥の写真(6月30日)    鳥の写真(7月1日) 

                                    鳥の写真(7月2日)    鳥の写真(7月3日)             

  

  北海道の天売島に行くことになりました。大洗から苫小牧までの航路を利用して海鳥を見ながらオロロン鳥やウトウの繁殖で有名な天売島に行くツアーです。硫黄島ツアーでご一緒したIn夫妻とSmさんとツアーに参加しました。ツアーの主催者は、In夫妻参の知り合いだそうです。参加者は我々を含めて13名です。皆さんはベテランの方だそうです。 

  当日笹川により、そこから大洗に向かいました。5時過ぎに大洗港に着きました。皆さんそろっていました。船は7時45分に出港し、苫小牧には翌日の13時半に着く予定です。    

  初日(6月30日) 

  初日は航路での海鳥探鳥がメインです。4時前に起床しました。天気はまあまあです。風はほとんど吹いていなく、波も見受けられません。5時頃、岩手県の魹ケ崎付近でウミスズメが出ました。マダラではないかとテンションが上がりましたが、画像が不鮮明で、嘴が白く見えましたので、ウミスズメとしました。

  7時少し前にはフルマカモメが出ました。はじめての出会いです。身体に丸みがあり、嘴にも特徴がありました。それから、10時頃までは鳥がいろいろ出てくれました。場所的には青森県の尻屋崎にかけてまでです。イルカが何回も顔を出しました。魚が集まっているのでしょう。そこには常連のオオミズナギドリが多かったのですが、徐々にそれに替えて、フルマカモメハイイロミズナギドリ、クロアシアホウドリ、コアホウドリ、が頻繁に出てくれました。アホウドリも出ました。ウミスズメもいました。カンムリウミスズメアカアシミズナギドリを見た方もいました。アザラシも顔を出しました。コアホウドリは谷津で見たことがありますが、飛んでいる姿を見たのは初めてです。ハイイロミズナギドリは初めての出会いです。海鳥を見たことはまだ少なく近くに飛んでくれないとその識別がなかなかできません。ミズナギドリ系は種類が多く似た鳥が多いので、経験がないと識別ができません。場所、時期によってもいる鳥の種類が違うので、それをインプップトしないといけないのかもしれません。

 10時半頃には霧が出てきました。鳥見が難しくなってきたので、部屋で休憩することにしました。12時前にはまた復帰しました。それからは、クロアシアホウドリ、フルマカモメがメインでした。苫小牧近くではミツユビカモメが出ました。1時近くには苫小牧の港に入りました。 

 そこからは、バスでの移動です。道央道を使いました。1時間程度で札幌を通過しました。野幌の近くを通りました。以前この場所に行ったことを思い出しました。岩見沢で休憩しました。道央道を深川で離れ、秩父別でまた休憩しました。そして留萌で日本海に出ました。そのまま、日本海に沿って北上します。空は鉛色になっていました。海上を鳥の群れが飛んでいます。どうやらウトウのようです。待望のウトウとの出会いでした。

 その後、にしん御殿のある小平町の道の駅に寄りました。ホオアカが囀っていました。それから間もなく、今日の宿泊先のある羽幌町に着きました。通ってきた日本海沿いの道はオロロン街道というそうです。羽幌町はオロロン鳥を売りにしているようです。宿では温泉に短時間ですが、入り、アルコールもいただきました。このツアーでご一緒する方たちとくつろいだ時間を過ごすことができました。

 

   2日目 (7月1日) 

 朝早く、散策しました。近くにきれいなバラ園がありました。ノビタキが鳴いていました。今年巣立ったと思われる幼鳥もいました。オオヨシキリの声も聴くことができました。出かけました。港の方に行きました。オオセグロカモメが多数いました。よく見ると、民家の屋根の上に巣を作っていました。幼鳥がいました。こんな場所に巣を作るとは驚きでした。魚を軽トラに積み込んでいる場面に出くわしました。ヒラメだということでした。

 宿に帰りましたが、朝食までに時間があるので、温泉に入りました。そこで天売島に住んでいる方に出会いました。島の人口は320人だそうです。高校もあるということでした。私が行ったことのある離島は舳倉島、飛島、平島しかありませんが、それらよりも大きな島という実感を得ることができました。その方は親が羽幌町にある老人施設に入っているので、こちらに来ていたようです。島には週に2回程度、介護サービスのスタッフが来るようです。島の名物はウニとタコのようです。タコは30Kgを超えるものもいるようです。網に針をつけてとるということです。船に引き上げるのが大変だそうです。

 朝食後、コンビニにより、近くの港からフェリーに乗船しました。空からは雨が降り出しました。それと同時に霧がかかり出しました。8時半にフェリーが港を出るとウトウの姿を確認できました。しかし、霧のため鮮明に見えません。港を離れると霧はさらに深くなります。鳥の姿はほとんど見えませんでした。焼尻島には1時間足らずで到着しました。この港の周辺にもウトウを見ることができました。天売島には10時過ぎに着きました。入港前に、ウトウに加え、ケイマフリも見ることができました、ケイマフリは2014年に北海道の落石と千葉の銚子で見たことがありますが、夏羽のケイマフリは初めてです。霧がかかっていなければ、もっと鮮明に見ることができたのですが、残念です。

 港には今日宿泊する宿の方が迎えに来てくれていました。宿は歩いて5分程度のところにありました。宿に荷物を置き、早速鳥見に出かけます。時々小雨がぱらつく天気です。歩き出すと間もなく電線でノゴマが囀っています。ノゴマは以前は地元で毎年秋にはよく見られた鳥ですが、最近は来なくなり、埼玉県などに出かけないとみられません。それが、電線にとまっているとは…。後でわかったことですが、ここではノゴマは普通種で島のあちこちで見ることができます。

 パークゴルフ場が見えます。そこを右に折れ坂道を上ることになりました。パークゴルフ場にアリスイがいました。子育てをしているようです。後で来た時も同じ場所にいました。ノゴマがあちこちでさえずっています。コムクドリも時々顔を出します。

 漁船をチャーターした島をめぐる探鳥は当初、明日の早朝ということになっていましたが。明日は難しそうなので、できれば今日の昼過ぎに行うかもしれないということになっていました。ですから、鳥見をしながら、漁船クルーズにも備えるというかたちになっていました。雨も強くなってきたので屋根のある場所に避難して、早めの昼食をとることにしました。この場所は海難に会われた方の慰霊の場所のようです。

 雨が小やみになり、再び、鳥見を始めました。モズコースと名付けられた道を進みます。この島の周回路を除くほとんどの小さな道には鳥の名前が付けられています。アオジがいました。幼鳥も見られます。この頃、今日の漁船クルーズは濃霧などにより中止ということになりました。明日出られれば出るということになりました。今日は夜にウトウ帰巣のナイトガイドが予定されています。それまでは島内を散策することになりました。ムシクイ三差路を右に進み、ノゴマコースに入ります。霧が相変わらず深く。雨がまた降り出しましたその前に入浴し。ノゴマ館という場所がありました。そこで雨宿りをすることにしました。近くの木でクロツグミの姿を見ることができました。営巣しているようです。ツツドリのさえずりも聞こえます。コムクドリも営巣しているようです。アトリ橋、コマドリ橋を渡る沢渡コースを進むことになりました。下に木のチップを敷き詰めた柔らかい道です。林の中の散策路になっています。ヤマシギ交差点を直進し、コルリコースに入ります。鳥のさえずりは聞こえますが、その姿はなかなか確認できません。

 ヒガラ交差点に着きました。ここで右折することにしました。お寺コースと名付けられていました。この道は未舗装の道路です。途中に葬祭場とお墓がありました。ノゴマが電線にとまっていました。周回道路に出る直前に曹洞宗のお寺がありました。そばには高校もありました。周回道路ではカラススズメの幼鳥を襲っている姿を目の前で見ました。自然の摂理とはいえ、残酷な気持ちがしました。先の神社では入り口の木にコムクドリが営巣していました。しばらく進むとパークゴルフ場でした。これで島を小さく1周したことになります。パークゴルフ場にはアリスイが同じ場所に出ていました。帰りはフェリー乗り場の方に行ってみました。遠くをウトウが飛んでいました。コムクドリが近くにとまりました。また目の前でエゾセンニュウが鳴いていました。エゾセンニュウは島の各所で鳴き声を聞きましたが、姿は見ることができませんでした。姿を見るにはその場所で粘り強く待つしかないそうです。

 上空をアマツバメが飛んでいました。このアマツバメはキタアマツバメという亜種だそうです。 この中にコシアカツバメが混じっていたようですが、見つけることはできませんでした。

 夜のウトウ帰巣ガイドは6時からです。その前に入浴し、食事をいただくことにしました。ウニが2個食卓にのっていました。1個はおかみさんが出してくれましたが、他の1個の中身を出すのが大変でした。カニもありました。またタコ、ヒラメの刺身もありました。すべて海の幸で大変満足できました。アルコールもだいぶ飲みました。 

 帰巣を見るのは島の南西にある赤岩灯台付近です。そこまでは車で送ってもらいました。着いたときには帰巣は始まっていました。すごい勢いで戻ってきます。人にあたることもあるようです。道脇のオオイタドリのそばには巣穴が多数あります。戻ってくるウトウは魚をたくさんくわえています。しかし、着くとすぐに巣に入ってしまいます。もたもたしていると他のウトウやウミネコなどに横取りされてしまうそうです。そのため、魚をくわえたウトウは写真には撮ることができませんでした。ここのウトウは80万羽いるようです。3月頃からここに姿を見せ、繁殖が終わる7月頃には姿を見せなくなるそうです。1組のウトウは卵は1個しか生まないようです。幼鳥は巣穴の奥でじっと親がえさを持ってくるのを待つようです。外に出た雛はすぐに外敵にやられてしまうようです。ウトウの中には自分であまりエサ取りをせず、他のウトウのエサを横取りする個体がいるようです。道路のわきでじっとしているウトウはその類のウトウです。光がない環境なので撮影は難しかったのですが、数か所光を当ててくれる場所があり、そこだけ鳥の姿を撮影できました。次から次へと飛んでくるウトウの帰巣の光景は大変壮絶なものでした。

    

   3日目(7月2日)

 朝5時頃、漁船クルーズが中止になったことが知らされました。漁船クルーズではオロロン鳥やケイマフリが期待されていたのですが、それはほぼ、断念する結果になりました。唯一残るのは帰りの羽幌までの航路です。朝探に出かけました。パークゴルフ場までを往復しました。途中オオセグロカモメが山から落ちてくる滝のようなところで水飲みをしていました。パークゴルフ場にはアリスイがいました。モズをいましたが、アカモズではありませんでした。戻りはコースを変え、ロンパパの浜に寄ってみました。アオジやノゴマ程度しか見られませんでした。廃屋が数件ありました。昨日の場所でエゾセンニュウがさえずっていましたが姿を見ることができませんでした。

 朝食後は島の散策です。昨日、シベリアムクドリが営巣しているという話を聞いたのでそこを探しながら赤岩付近まで行こうということになりました。歩行でそこに行くのは難しいので、レンタカーを借りることになりました。島にはレンタカーは数台しかないようです。軽のレンタカーを2台借り上げ、それでピストン輸送してもらいました。ウミネコの繁殖地がある黒崎海岸で降ろしてもらい、そこから歩くことにしました。ウミネコの繁殖地には今年生まれた幼鳥が多数いました。だいぶ大きくなっていました。また草地には、コヨシキリがいました。他にはアリスイ、ノゴマを見ることができました。コムクドリも何回か飛びました。シベリアムクドリではありませんでした。今日は雨が降っていませんが。風が強く、霧も深く、視界が聞きません。

 赤岩展望台まではか軽い登りでしたがしたが、間もなく着きました。昨日の帰巣のポイントにはウトウは1羽もいませんでした。昨日は暗くてよく見えませんでしたが、他の鳥に襲われて足だけを残すウトウの幼鳥が所々にありました。赤岩より先に行くことにしました。途中何か所か展望台があるので、そこからオロロン鳥が見えるかもしれないと考えました。しかし、ダメでした。霧が深いうえ、風が強く、展望台のところにも行くのが困難でした。途中エゾカンゾウがきれいに咲いていました。途中車に乗せてもらいモズコースで降ろしてもらいました。ベニマシコがいたようです。先行していた人たちが見たようです。

 また小雨が降ってきました。近くの屋根のある場所がノゴマ館なのでそちらに向かいました。そこで昼食をとることにしました。近くにはコムクドリがいました。クロツグミは声を聴くのみでした。この日は昨日とコースを変えました。マシコ橋方面の沢渡コースです。こちらも歩きやすい道でしたが、鳥の姿はほとんど見ることができませんでした。その後はキジバトコースで周回道路に出ることにしました。ノゴマがさえずっていました。周回道路は車に乗せてもらいました。また雨が降り出しました。パークゴルフ場で降り、アリスイをのぞきましたが、この時はいませんでした。乗船時間は15時過ぎなのでそのままフェリー乗り場に向かいました。荷物は車で運んでもらいました。

 帰りの航路も霧でした。ケイマフリとウトウがいましたが、外れでした。夕食は一昨日泊まったホテルで食しました。そして、バスで苫小牧まで向かいます。途中、SAに何回か立ち寄り、22時半頃苫小牧に着きましたバスの中ではうとうとしていました。すぐに乗船しました。アルコールを飲んで、すぐに寝ることにしました。深夜便はカジュアル利用です。ベッドでゆっくり休むことができました。

 

   4日目(7月3日)

  朝は4時半に起きるつもりでいました。しかし、4時に起床しました。同室のSdさんが窓からクロコシジロウミツバメを見たようです。起きたついでに甲板に出ました。4時少し過ぎにウトウを見ることができました。続いてクロアシアホウドリ、アホウドリが出ました。6時半過ぎまでクロアシアホウドリ、フルマカモメ、ハイイロミズナギドリが出てくれました。この海域は行きもよく鳥が観察できたところです。場所的には下北半島沖になります。しかしその後はさっぱりでした。金華山沖まではウミツバメガ出る可能性が高いと聞いていました。期待して待ちましたが、空振りでした。いるのはオオミズナギドリ程度でした。14時から16時頃には部屋に戻って寝てしまいました。途中驚いたのはキジバトが船に並走したことでした。どう間違えて、こんな場所に来たのでしょうか?無事に陸に戻れればよいと考えました。

  船は予定通り19時半に着きました。大洗で皆と別れ、潮来経由で家に帰りました。22時過ぎには家に着きました。

    

 今回の遠征は航路での海鳥観察がメインでした。フルマカモメ、ハイイロミズナギドリがライファーになりました。キタアマツバメも初めてでした。ライファーは海鳥に空白が多いので、航路のツアーをもう少し頑張らないといけないと感じました。  

  同行したInご夫妻、Sdさんにはいろいろお世話になりました。ありがとうございました。

  またツアーを主催していただいたItさんの細かな心配りには頭の下がる思いです。感謝申し上げます。

  帰郷してしばらくして、知人から、ハイイロミズナギドリとしている中に、アカアシミズナギドリが入っている指摘を受けました。検討した結果アカアシミズナギドリと思われます。おかげでライーファーが一つ増えました。