2013年与那国遠征(4月6日〜9日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト

                                                         鳥の写真(4月6日)    鳥の写真(4月7日)

                           鳥の写真(4月8日)    鳥の写真(4月9日) 

 

   去年の秋、残念ながら行くことができなかった、与那国遠征に声をかけていただき、今回は色々やりくりして参加できることになりました。参加者は6名です。皆さんベテランです。このほか昆虫観察の方おひとりも同行しました。私以外は以前にもここに来た経験のある方です。

 

 日本最西端で、台湾に近い島です。こちらでは見ることができない鳥が期待できそうです。

  羽田を6時25分に飛び立つ飛行機に乗りました。約3時間で石垣島に到着、そこで乗り継ぎ、与那国は11時40分頃の到着になりました。

       初日(4月6日) 

 与那国空港でレンタカーに2台に乗り出発です。 いきなり情報が入ってきました。東にムジタヒバリ、西にクロウタドリとのことです。

 最初に東に向かいます。東の東崎(アガリザキ)です。現地に着くと先着者がいます。今は姿が見えないが出てくるのではとのことで、待ちます。ムネアカタヒバリに続き、ムジタヒバリの姿が確認できました。風が強く、波しぶきが飛んだ中での鳥見になりました。このタヒバリについてはミズタヒバリの亜種であるサメイロタヒバリという意見もありました。

  続いてオオノスリが出るというポイント付近の道を通りながら鳥を探します。最初に現れたのはアカガシラサギです。私はその姿がすぐに分からず、シャッターを押す前に、飛ばれてしまいました。写真は撮れませんでした。その付近にはもう一羽もいました。どちらもきれいな夏羽でした。

  次に田原川沿いの湿地に向かいます。シラサギの群れがいくつか見られます。その中で遠くでしたが、ムラサキサギを確認できました。これも初見の鳥です。もう少し近くであればよかったのですが…。

  続いてクロウタドリが出ているというポイントに向かいます。しかしそこには鳥の姿を見ることができませんでした。

  再び田原川沿いの水田に向かいます。ここではセイタカシギシマアジカラシラサギを見ることができました。シギチも少しいました。タカブシギのようです。この中ではカラシラサギがきれいな夏羽で印象的でした。強い風に飾り羽がきれいになびいていました。

  次に墓地に移動します。ここにはシギチ類がいました。目立ったものではオオメダイチドリが見ることができました。まだ冬羽でした。  比川に移動しました。この頃から雲行きがあやしくなりました。ここでは強風から逃げてきたツバメの大きな群れがいました。こんな大きな群れを見たのは初めてです。中には腹部が赤いアカハラツバメが確認できました。他にはツバメコシアカツバメショウドウツバメがいました。ツバメを見ているときに雨が降り出しました。1号車の方では別のポイントでリュウキュウツバメの大群がいたという話を後で聞きました。

  この日は強風で探鳥には厳しい条件でしたが、それでほ大きな成果がありました。翌日以降に大きな期待が膨らみました。

       2日目 (4月7日) 

 翌日は5時半に出発しました。まだ薄暗いなかでの鳥見となりました。朝食は車中で適当に食べることになりました。夜明け近くには色々な鳥のさえずりを聞くことができました。

  1号車は途中でリュウキュウコノハズクを見たようです。道路に降りていたようです。我々が通った数分後だそうです。  明るくなってきました。満田原の水田に行ってみました。ここではサギ類が多数集まっていました。またこの中にシギチが多数見ることができます。タカブシギアオアシシギに混じってサルハマシギも確認できました。またセイタカシギもいます。一羽アカエリヒレアシシギも見ることができました。

  西崎(イリザキ)に向かう峠の道でキンバトがいるという情報が1号車から入りました。道路に出ているようで、車でそっと近づきます。まだ成鳥になっていない個体でした。しかししばらくすると、成鳥が現れました。なかなか用心深く、撮影するのに苦労しましたが、初めてその姿を写真に収めることができました。きれいな姿に感動しました。

  西崎は日本最西端のポイントです。まだ風が強かったのですがここではビンズイアトリが見れました。そして、その頃オオチドリが2羽学校の校庭にいるという情報がありました。急遽移動します。 校庭に着いた時にはオオチドリの姿は見ることができませんでした。しかし、小学校の裏側に小鳥がたくさん集まっていました。ツバメ、セキレイなどです。ハクセキレイでは、タイワンハクセキレイホオジロハクセキレイが、またマミジロツメナガセキレイキセキレイも見ることができました。しばらくすると、オオチドリが1羽中学校の校庭に戻ってきました。夏羽にほとんどなっています。冬羽は、以前稲敷市で見ていましたが、夏羽はここ以外ではなかなか見ることができません。もう一羽はこの後、港で見ることができました。これもきれいな個体でした。頭部顔にに赤味がある個体でした。中学校の校庭ではチュウジシギと思われる個体もいました。また少し離れた上空でオオノスリが飛んでいるのが見られました。

  このあと、ヒメコウテンシが出ているという場所に移動しました。ヒメコウテンシは2羽見ることができました。動きが早く、しかも地面と同じような色合いで、見つけるのに苦労しました。車の中からの撮影でしたので、比較的近くにも来てくれました。

 そのあと再びオオチドリを港で見た後、移動する途中でヤツガシラを見つけました。毎年この近くのポイントで見られるようです。ヤツガシラは、この日、比川でも2羽見ることができました。比川のヤツガシラポイントでは、ギンムクドリも見ることができました。

 南牧場では池の中にシマアジカルガモとともに見ることができました。1号車の人の話では、このシマアジは大変疲れた状態で、この島に入ってきたようです。

 比川の水田では多くのシギチが見られました。タカブシギコアオアシシギアカアシシギサルハマシギウズラシギなどです。サルハマシギはきれいな夏羽でした。コアオアシシギもきれいな夏羽でした。同じポイントではサギの群れの中にカラシラサギが1羽混じっていました。

 祖納(そない)の水田では、ウズラシギセイタカシギを見ることができました。そして脇の畦道ではシロハラクイナが移動する姿を確認できました。

 製糖工場の裏では、シベリアハクセキレイがいました。これも亜種ですが、初めての鳥となりました。ここもセキレイ類が多く集まるポイントのようです。

 ミフウズラを探しながら東崎方面に向かいます。途中の畑で、ツバメチドリの夏羽を見ることができました。夏羽は初めてです。いつも東京近辺で見るときは冬羽、ないし、夏羽から換羽中のものが多いです。この時期は夏羽は当たり前なのかもしれませんが、その姿にうっとりしてしまいました。

 東崎でもオオチドリを2羽見ることができました。こちらの個体は、まだ冬羽でした。昨日のムジタヒバリは見ることができませんでした。このふきんではルリビタキジョウビタキが見られました。帰りに祖納の小学校の校庭をのぞきました。ここには、ツグミに混じって、ツバメチドリオオチドリが観察できました。近くの電柱では、カラムクドリも見れました。

 この日の大きな成果はキンバト、夏羽のオオチドリヒメコウテンシでした。4月の与那国でも夏羽のオオチドリを見ることができない時もあるようです。そういう意味では今回はかなり鳥運に恵まれているようです。そして、この島にはどこでも見られるシロガシラをやっと旅館脇で撮影できました。いつもカメラを向けると逃げられていたのですが、この個体はきれいな声でさえずりながらゆっくり姿を見せてくれました。この日の、有終の美を飾ることができました。 

 

   3日目(4月8日)

 今日も朝早くから出かけました。昨日のポイントに向かいました。ここではオオクイナの声を近くで、聞くことができました。またリュウキュウコノハズクも近くで鳴いていました。しかし残念ながらその姿を見ることができませんでした。しかし1号車はリュウキュウコノハズクを見たようです。翌日もまた来ることにしようと話をしました。

 次のポイントに移動する途中で車中からチョウセンウグイスの姿が確認できました。私は残念ながら写真は撮れませんでした。同じ頃1号車は、別の場所でチョウセンウグイスを見ていました。あとでそこで撮られた写真を見ることができました。また1号車はオオノスリが道路わきの電柱にとまっていたところを見ることができたようですが、すぐに飛ばれてしまったようです。

 そのあとは、中学校の校庭をのぞいてみました。学校がこの日から始まっていて、鳥の姿を見れませんでした。しかし、校庭の塀際で、シロハラクイナが顔を出しました。シロハラクイナは島の各所にいるようです。

  海沿いで、シマアカモズノジコを見ながら、移動しますが、昨日のようには行きません。比川の水田では、アカアシシギが近くで見れました。ムネアカタヒバリも見ることができました。また、昨日と同じところにいた、2羽のヤツガシラを見ていた時、1号車から、南牧場にアオハライソヒヨドリがいるという情報が入りました。現地に着くと飛んでしまったということですが、まだ近くにいるようなので手分けして探すことにしました。しばらくすると電柱の上にとまっているのが確認できました。

 皆を呼んでいるうちに、近くを通った牛に驚いて飛んでしまました。その後も見つかりましたが、遠方でした。

  そこからまた1号車とは別行動をすることになり、他へ行こうとしていると、ミゾゴイが見つかった1号車からまた連絡が入りました。ミゾゴイはとんでもない明るい場所で、固まっていました。首を左右に時々動かすだけで、身体は全然動かしません。ミゾゴイは暗い場所にいるという印象があったので意外でした。ミゾゴイの近くにはオオチドリが2羽確認できました。 

 次にクロウタドリを目指して、イベント広場に向かいます。しかしクロウタドリの姿を見ることはできませんでした。その代わりに、ツバメチドリが4羽、草地に降りていました。午前中に西の方面で飛んでいた個体のようです。こちらも全部きれいな夏羽個体でした。

 そのあとざっと回りましたが、めぼしい鳥はいませんでした。宿に戻ろうとしていたところ、墓地にミフウズラがいるという情報が入りました。ミフウズラは草に中に入っていてなかなか顔を出しません。一度姿を少し見せたのですが、見逃してしまいました。そして、そのあと飛んで深い草地に入ってしまいました。

  3日目も鳥が少なくダメかと思っていましたが、アオハライソヒヨドリミゾゴイミフウズラなどに会うことができました。 

   4日目(4月9日)

  いよいよ最終日です。 早朝の出発はいつもより30分早くししました。5時のスタートです。今日は最初に水道タンクがある場所に行きます。当然真っ暗ですが、リュウキュウコノハズクリュウキュウアオバズクの声が聞こえます。声のある方向に行きますが、鳥の姿は見ることができませんでした。

 続いて、また森林公園に向かいます。今日もオオクイナリュウキュウコノハズクの声が聞こえます。リュウキュウコノハズクは色々な方向から聞こえます。しかし、姿は、結局見ることができませんでした。

  小学校の校庭に向かいます。もう学校が始まっているのですが、生徒の登校前にということで出かけました。しかし、生徒は早く来ていて、校庭の樹には鳥の姿を見ることができませんでした。裏側の樹にコムクドリが数羽とまっていました。

  この付近を歩いて鳥を探してみました。シロガシラシマアカモズセッカアトリなどを見ることができました。またカラムクドリが校庭横の樹で水飲みをしていました。  その後、オオノスリミフウズラをさがして、いろいろ回ってみました。あまり成果が上がりませんでした。

 昼食は租納出しました。隣の水田を覗くとシギチをたくさん見ることができました。オグロシギセイタカシギの群れに交じっていました。隣の水田にはウズラシギトウネンコアオアシシギオジロトウネンタカブシギなどが観察できました。また隣の水田ではアメリカウズラシギがいるということで探しました。1羽ウズラシギに似ていて、腹部の白い鳥を見ることができました。アメリカウズラシギです。

  またミフウズラなどを探しながら回ります。結局大した成果が上がりませんでした。

  最後の日は少し収穫が少なかったのですが、全般的には大きな成果が上がったと思われます。

  夕刻6時25分の飛行機で石垣、那覇を経由して帰京しました。羽田発の最終バスにも間に合いました。

  同行していただいた5人の皆さんのご協力があり、充実した4日間の鳥見となりました。また来たい探鳥地になりました。 

 皆さんにはここを借りて感謝したいと思います。ありがとうございました。