2019年5月見島遠征(5月4日〜7日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト 

                           見島の地図  風景写真

                                                         鳥の写真(5月4日)    鳥の写真(5月5日)    

                            鳥の写真(5月6日)    鳥の写真(5月7日)                

  

  初めて見島に遠征しました。見島は山口県萩市の北45kmの日本海にある離島です。面積7.73平方キロ、標高181m、人口は864人、世帯数393(平成28年現在)です。1000年の歴史があり、古墳や、神社仏閣など多数の文化財が残された島です。和牛の原型といわれている見島牛は国の天然記念物になっています。おもな産業は農業、漁業、観光業です。鳥見のポイントとしても有名です。 集落は本村(ほんむら)、宇津(うつ)の2か所で、学校などの主要な施設は本村にある。

  羽田を8時に出発して山口宇部空港に到着したのは9時35分です。リムジンバスで新山口に向かい、そこで萩行きに乗り換え、萩市に着いたのは12時です。船は12時45分に出港しました。

  初日(5月4日) 

  風はほとんど吹いていなく、波も見受けられません。船は予定通り13時55分に本村港に到着しました。途中の航路ではほとんど鳥はいませんでした。 

 港では旅館の車が迎えてくれました。荷物を預け、すぐにショップ見島の車で出発しました。最初に向かったのは小学校そばの田んぼです。田植えを終えたばかりの様子です。タカブシギが1羽いました。港付近の荒れ地に寄りましたがここには何もいませんでした。次いで横浦、ゴンゲンに行きました。しかし、ここも鳥の姿はありませんでした。そこから牛舎に行きました。車に戻ろうとしたところ。ムラサキサギが飛びました。距離はありましたが、アシ原に降りました。どうにか証拠写真は撮れました。ムラサキサギはここでは珍しいようです。7年ぶりと聞きました。

 八町八反に行くことにしました。ここで、鳥取からきている3人の親子のバーダーに会いました。ここの鳥情報を収集しました。ブッポウソウが出ているようです。八町八反ではシベリアアオジ、アマサギ。ダイサギ、チュウサギ、アオサギがいました。ミサゴが水田で水飲みをしていました。ここではミサゴの数が多く見られます。密度が濃いと感じました。シマセンニュウを見ることができました。しかし。すぐに草陰に入ってしまい、画像は撮れませんでした。シマセンニュウは私にとってライファーなのですが、次があるので、あきらめました。

 宇津に向かいました。その途中にブッポウソウポイントはあります。ポイントで待ちましたが、ブッポウソウは現れてはくれませんでした。カラスバトが何羽か飛びました。さらに進むと、電線にコイカルが5羽とまっていました。逆光空抜けで最悪の条件でした。かろうじて証拠写真は撮れました。

 こ北灯台と平行している道に入りました。入り口付近でシメに会うことができました。さらに進むとカラスバトが2羽突然現れました。すぐに木の陰に入ってしまいました。カラスバトの密度が高いのを実感しました。

 ヘ自衛隊の駐屯地を通って大峠に向かいました。この場所は過去に、セグロカッコウやマミジロなどが出た場所と聞きました。しかし、思った以上に鳥はいませんでした。唯一、小さな声でさえずる鳥の鳴き声を聞きましたが、結局確認できませんでした。

 宿に帰るころには暗くなり始めていました。入浴する時間がなく食事を先にとることになりました。刺身をはじめいろいろな海産物が出てきました。とてもおいしくいただけました。グベー汁はこの島でしか食べられないようです。

 入浴した後、同室のInさんと雑談し。10時前には消灯しました。

 

   2日目 (5月5日) 

 朝5時に出発しました。ここの夜明けは5時少し過ぎです。まだ明るく成りきっていませんでした。ブッポウソウポイントに向かいました。今日もブッポウソウには会えませんでした。代わりにカラスバトが飛んでくれました。4羽以上見ることができました。その密度の高さに驚きました。

 大峠に向かいました。この峠に立っていると鳥のさえずりのシャワーの中にいるようです。しかし、ほとんどがメジロでした。その中でアオバヅクの鳴き声を聞くことができました。そこで聞いた話では、2日までは鳥が多数いたようですが、それ以降は減る一方で、特にヒタキ類はほとんどいなくなったという話でした。それでも、八町八反にはホオジロ類がまだ残っているようです。そこに移動することにしました。ここでは一つのエリアに鳥が集まっていました。コホオアカキマユホオジロが交代で近くの木にとまります。他にはアトリ、シベリアアオジ、アトリ、ノジコ、コムクドリ、カワラヒワなどが顔を見せてくれました。他の水田でもダイサギ、アオアシシギ、アオジなどを見ることができました。上空をミサゴが大きな魚を持って飛びました。黄色いセキレイも飛びました。ツメナガだと良いのですが…。朝食の時間になり、宿に戻りました。、

 朝食後、小学校の水田の近くできれいなキセキレイを見かけました。しかしすぐに飛ばれてしまいました。続いて、ブッポウソウポイントを通って宇津に向かいました。途中昨日の3人の親子バーダーに会いました。今朝シマノジコを見たという情報をもらいました。すぐにそのポイントに移動しました。砂見田キャンプ場のそばです。その近くにはタイワンハクセキレイが8羽いました。まだ到着して間もない様子でした。シマノジコは姿を見せません。それでも、代わりにコムクドリキビタキセンダイムシクイメボソムシクイコサメビタキなどが顔を見せてくれました。

  続いて観音埼の方に行ってみることにしました。あまりぱっとしませんでした。自衛隊駐屯地を経由して本村に降り昼食にすることにしました。昼食後は棚ケ上に向かいます。コサメビタキセンダイムシクイが見られました。牛舎付近もチェックしましたが。ほとんど鳥がいませんでした。その先の荒れ地に行きました。謎鳥がいました。珍鳥に思われましたが、問題解決には至りませんでした。

 再び、シマノジコを探すため、キャンプ場に行きました。しかし、成果は上がりませんでした。北灯台に向かいました。灯台付近でハヤブサコルリアオジを見ることができました・また脇道ではクロツグミのメスなどを見ることができました。また途中の池の周辺でキビタキエゾムシクイを見ることができました。後で聞いた話ではこの場所でムギマキも見られたようです。昨日行った行き止まりの道の脇道ではエゾムシクイキマユムシクイコルリの確認ができました。ムシクイの数が増えてきたように感じました。

  宇津付近の川の下流部では、ホオジロハクセキレイキセキレイイソシギを見ることができました。宇津から大峠に行くことにしました。峠の交差点に出る直前の道路上でマミジロがいました。暗かったのですが、かろうじて証拠写真を撮ることができました。マミジロオスは今まで相性があまり良くなく、そういう意味で今日の一番のヒットとなりました。

  宿に戻る前にまた八町八反に寄りました。朝いたメンバーはまだいました。コムクドリが5羽電線にとまっていました。道路わきでは黄色のセキレイが2羽いました。ツメナガかと一瞬思いましたが、足は黒くありませんでした。キセキレイでした。宿に帰った時間は昨日より少し早かったので、風呂に入ってからの食事となりました。

 この日は宿は満員状態でした。   

   3日目(5月6日)

 朝探は昨日と同じ5時からのスタートでした。シマノジコポイントのチェックから始めることにしました。シマノジコは今日も現れませんでした。タイワンハクセキレイミサゴセンダイムシクイはこの日も見られました。親子バーダーにこの日もここで会いました。昨日は自衛隊駐屯地付近でマミジロを3羽見たと聞きました。早速その方面に行くことにしました。行く途中、上空をツミの雄が飛びました。駐屯地を過ぎたところではメスのツミが枝にとまっていました。大峠ではセンダイムシクイの声が各所から聞こえました。また少し白みがかった中型の鳥が飛翔するのが2度ほど確認されました、しかし、鳥の同定までには至りませんでした。宿題がどんどん増えていく感じです。

  ブッポウソウポイントではハチクマを見ることができました。ハチクマは昨日も何羽か見られたようです。センダイムシクイなどを途中何羽か見ながら朝食を食べに宿に帰りました。朝食後は八町八反でタイワンハクセキレイを2羽見て、棚ケ上に向かいました。ここにある黒い実のなる樹の周辺に鳥が集まっていました。ムギマキオス、メスシロハラキビタキサンショウクイセンダイムシクイクロツグミオスなどです。また上空をハチクマオオノスリが飛びました。この日は何か運がありそうな感じがしました。牛舎付近ではツツドリと思われる個体も見つけました。

  牛舎先の荒れ地に行きました。昨日の謎鳥へのチャレンジでした。謎鳥は現れませんでした。しかし、上空にまたオオノスリが現れました。そしてその直後からハチクマが次から次へと現れました。北の方角から飛んできます。そして鷹柱を作り始めました。これが30分以上続きました。あまりの多さにどの鳥を撮影したのが良いのか分からないほどでした。低く飛ぶ個体もありました。カメラのフレームに収まらないくらい近くでした。白樺峠の渡りを見たことがありますが、ハチクマだけの渡りで、時間も短かったのですが、それに十分匹敵するのではないと感じました。このような瞬間に巡り合えて幸運だと思いました。また、空が十分に広がった場所にいたのもラッキーだったと思いました。この渡りを見ることができただけでも、今回来た価値があったと思いました。

  興奮した気持ちを抱えて北灯台に向かいました。サシバが上空を飛びました。クロツグミの雄と思われる鳥も飛び出したりしました。しかし、池の周辺も昨日のような賑わいはありませんでした。その後、大峠などを回って観音崎に行きました。センダイムシクイが多数観察されました。またヒガラの鳴き声も聞くことができました。その後、昼食を取りに本村に戻りました。

 事昼食後は八町八反を回りました。ムネアカタヒバリがいると聞き、一回りしました。タカブシギアオアシシギ2羽を見ることができました。ミサゴが田んぼで巣材と思われる泥などをとっていました。ムネアカタヒバリと思われる個体は前方から来た人に飛ばされてしまいました。その後はあまり成果は上がりませんでした。午前中に全部運を使いきってしまったのかもしれません。それでも、宇津の川の上流でシベリアツメナガセキレイを見つけることができました。大峠にはビンズイもいました。棚ケ上付近でサンコウチョウが見られた聞き、行ってみましたが、見つかりませんでした。夕方になって風が出てきて気温も下がってきました。少し早めに宿に帰ることにしました。

  

   4日目(5月7日)

  最終日です。昨晩はすごい風が吹きました。大きい風鳴りが連続しました。今日の出港ができるのか気にしながら布団に入っていました。朝起きたときは風は止んでいました。快晴の天気でした。今日は時間があまりないので、朝食はおにぎりを作ってもらい、時間の節約を図りました。棚ケ上、牛舎先の荒れ地、大峠と進みましたが、ほとんど成果は上がりませんでした。自衛隊駐屯地の先の脇道に入りました。ビンズイムシクイが確認できました。昨日キタツメナガセキレイがいた川を上流に上がることにしました。シマアカモズ、セッカ、ヒバリ、カルガモなどがいました。

 宇津の港ではオスとメスのイソヒヨドリがいました。だいぶ減っていました。次に、観音崎に向かいます。昨日ムシクイがいたポイントには今日も数羽のムシクイがいましたが、数はだいぶ減っていました。イワツバメと思われる個体が海側を飛びました。それを機に、海岸に降りることにしました。海岸へに通ずるところに、メジロが集まっていました。ムシクイもいました。お腹がオレンジ色の鳥が飛びました。ミヤマヒタキではないかと胸を弾ませました。それを探しながら下まで降りていきました。海岸線わきの林縁で、コサメビタキムシクイを見つけました。そこにムギマキのメスも現れました。先ほどいたお腹がオレンジ色の鳥はムギマキの雄ということで決着をみました。背中が黒ぽかったということも決め手になりました。

 9時になり、本村に戻ることにしました。荒れ地、棚ケ上を回りましたが、成果なしです。サンコウチョウもいませんでした。まだ時間が少しあるので、八町八反を回ってみました。ムネアカタヒバリはいませんでした。そこで会った農家の人からムラサキサギと思われるサギがいたことを教えてもらいました。その先の道路でキセキレイを見ることができました。ツグミも農家の庭先にいました。

  

  船に乗船し、この島と別れる時が来ました。10時40分に本村を出た船は宇津の港により、萩に向け進みました。途中の航路はオオミズナギドリが出た程度でした。萩には12時20分に着きました。リムジンバスを乗り継ぎ、19時発のフライトで宇部山口空港を飛び立ち、那根谷は20時35分頃に到着しました。

  

  見島遠征は初めてでしたが、ハチクマの渡りというハプニングに遭遇し、思い出深い鳥見遠征となりました。同行した皆様、いろいろお世話になり、ありがとうございました。