2014年与那国遠征(4月18日〜21日)

                                                                                    今回の遠征で見られた鳥リスト

                                            風景、他の動物、花などの写真

                                                             鳥の写真(4月18日)    鳥の写真(4月19日)

                           鳥の写真(4月20日)    鳥の写真(4月21日) 

 

   昨年に続き、与那国に出かけました。メンバーは6人、昨年と同じです。

  羽田を6時25分発の飛行機に乗りました。約3時間で石垣島に到着、そこで乗り継ぎ、与那国は11時40分頃の到着になりました。これも昨年と同じです。

     初日(4月18日) 

  与那国空港でレンタカーに2台に乗り出発です。車も同じグリーンのマーチです。この島に2台しかありません。

   前日に入った方からの情報では鳥は極めて少ないということです。

 最初にカタグロトビが出ていたというポイントに向かいます。途中で猛禽が上空を飛び、カタグロトビかと期待しましたが、サシバでした。そのまま満田原(マンタバル)の水田に向かいます。去年はここにはサギやシギチが多数見られましたが、鳥の姿が全然見えません。かろうじてハリオシギが1羽見ることができました。鳥が少ないということを実感しました。

  続いて謎のヒタキ類の声が聞こえるというポイントの向かいます。二人の方が待たれていました。アオハナドリではないかという話もあります。ここでしばらく待ちます。声は聞こえるけれども、鳥の姿が見えないと聞きました。鳴き声が近くで聞こえました。以前どこかで聞いた鳴き声です。そのうちその鳥が姿を見せました。キビタキです。正確にはリュウキュウキビタキです。まだ若い鳥ですが、きれいなさえずりを聞かせます。アオハナドリの期待は一瞬にしてはじけてしまいました。しかし私にとっては亜種ですが1種ゲットできました。

  次に久部良の港方面に向かいます。ヤツガシラが出ているようです。現地についても鳥見の人は誰いません。鳥の姿も見えません。もう一度確認しながらゆっくり探します。するとヤツガシラは草地の日影に隠れるようにえさ採りをしていました。近くで観察できました。暑さのせいか、口を大きく開けています。こちらを少し警戒していましたが、しばらく楽しませてくれました。

  今、この島で珍鳥の可能性はやはりカタグロトビです。出る可能性が高い空港南側の畑周辺に移動します。チョウゲンボウが観察できます。しかしカタグロトビは見つけることができません。貯水池にはカルガモ2羽とコガモだけです。その周辺の電線にツバメの群れが止まっていました。1羽アカハラツバメを見つけました。しばらくするとその横にコシアカツバメが2羽並びました。同行者の一人が半分冗談でオオコシアカツバメではないかと言いました。図鑑を見るとその特徴が出ています。その図鑑には顔の橙色部分が頭の後ろまでつながらないのがオオコシアカツバメの特徴となっています。撮った写真を見ると確かにつながっていません。この鳥は翌日、翌々日にも久部良の小学校の付近で見ることができました。その時は営巣の準備にかかっているように見れました。ベテランの皆さんがいろいろ検討を重ね、後日会うことができたプロカメラマンのMaさんのはなしも参考にし、結局オオコシアカツバメとしました。詳しくは写真のページで説明してあります。

 次に田原川沿いの水田に向かいます。しかし鳥はほとんど見ることができません。シベリアセンニュウの鳴き声も聞けませんでした。また比川の水田にも行きましたが、鳥がほとんどいませんでした。ズグロヤイロチョウがいるという場所にも行きましたが、樹の中から飛び出してくるキンバトと上空を飛ぶヒメアマツバメを見ただけでした。  天候は最高でしたが鳥の数が少なく、少しがっかりした初日でした。明日以降に期待することにしました。

     2日目 (4月19日)

  翌日は5時45分に出発しました。向かうは宇良部岳中腹の水道タンクがあるところです。昨日行ったズグロヤイロチョウのポイントです。ズグロヤイロチョウはは鳴き声だけだということでしたが、どうもそれがカエルのようだと同行者は推測しました。同行者は昆虫や、爬虫類などにも詳しいのです。このような同行者に恵まれ幸運です。

  夜が明けてくるころから、チュウダイズアカアオバト(以下ズアカアオバト)の鳴き声が聞こえときます。尺八を吹いているような鳴き声です。しばらく待てば近くの木にとまると聞いていたので待つことにしました。すると4羽の群れが近くの枯れ枝にとまりました。初見の鳥なのでシャッターを切る手に力が入ります。まだ暗く少し、逆光気味なのであまり良い写真は撮れませんでした。しかしこの群れはしばらく近くにとどまってくれたので、もう少し明るい空で写真を収めることができました。頭の赤い台湾の亜種も1羽いるようですが、見つけることができませんでした。

  今日も空港南側の畑を中心にカタグロトビを探します。昨日のチョウゲンボウはいましたが、見つかりません。畑の間の道をミフウズラが歩いているのを教えてもらいました。昨年は写真を撮れなくて、悔しい思いをしたことがあります。しかし、ほとんどが後ろ姿で撮れた写真もピントがイマイチでした。また電線にコムクドリが3羽とまっていました。少しムクドリ系が入って来たのかもしれんません。

  昨年ヒメコウテンシがいた場所(久部良付近のゴミ捨て場)に向かいます。シギチ類はいませんでしたが、マミジロタヒバリがいました。しかし鳥はこれだけでした。

  森林公園にも行きました。リュウキュウサンコウチョウが近くで鳴いています。時々道路をまたいで飛びます。写真は撮れませんでしたが、きれいな鳴き声をたっぷり聴くことができました。

  この後空港に向かいます。今日からもう一人の方が昼に到着するのを迎えに行きます。今日は防衛大臣がこの島に来るということで空港周辺は関係者が集まっています。今日から合流する方はカブトムシの研究をされている若い研究者で鳥にも造詣が深いと聞いています。私のようなものにとっては頼もしい助っ人です。

  午後からは、宇良部岳周辺に回りましたが、鳥はほとんど収穫がありませんでした。かわりに昆虫やチョウなどをいろいろ見ることができました。  祖納(ソナイ)の学校付近に行くとムクドリ類が電柱にかたまって止まっていました。コムクドリがほとんどですが、中にはカラムクドリが混じっています。 

 この後、カタグロトビらしきものの写真を撮った同行者もいましたが、最終確認までには至りませんでした。

   3日目(4月20日)

 今日も朝早くから出かけました。昨日と同じポイントに向かいました。現地に着くとリュウキュウアオバズクが近くで鳴いています。近くの枯れ枝にもとまってくれました。暗かったのですが、ボケボケの写真を撮ることができました。明るくなると今日もズアカアオバトが来てくれました。

 今日も昨日と同じようなポイントを回ります。あまり成果は上がりませんでした。昨日行っていない墓地に行ってみました。シロチドリオオメダイチドリがいました。しかし、ここは鳥の出入りが大きいようで、午後に行った時はこれらの鳥はいませんでした。その代わりにツバメチドリが1羽いました。少し疲れているようで、あまり遠くには飛べる状態ではありませんでした。

 島の一番東側にある東崎(アガリザキ)に行きましたが、鳥はほとんどいませんでした。そのあとアヤミハビル館に行きました。ここはこの島で有名なヨナクニサンという世界で一番大きな蛾を紹介している施設です。アヤミハビルはヨナクニサンの別名です。館長さんからも話を聞きました。今年は鳥もチョウチョウも例年に比べ少なく、最近ではこんな少ない年はないようです。雨が全然降らず、その影響ではないかとのことでした。

 そのあとは、久部良の中学校方面にも行きました。途中空港南側の畑をずっと東西に通って行きました。蛇の臭蛇やキシノウエトカゲが道路に出てきました。ミフウズラも2羽で歩いているのも見ることができました。中学校付近では先日いたオオコシアカツバメが観察されました。しかしすぐに東の方に飛んでしまいました。 

 雨が降り出しました。お湿りの雨で、これで鳥が入ってきてくれるとよいと考えました。しかし、雨は昼頃には上がってしまいました。日曜日は昼食を出すところはほとんどお休みで、探すのに少し苦労しました。

  祖納の田んぼを中心に見ました。田起しをしているところに鳥が集まっていました。アマサギを中心としたサギ類とツバメチドリが7羽いました。虫がたくさんいるようです。このような活況はこの遠征で初めてのことでした。アマサギの中にはきれいな婚姻色になっている個体も混じっていました。ツバメチドリもきれいな夏羽でした。久しぶりにシャッターを沢山押しました。また別の田ではウズラシギを5羽見ることができました。ムラサキサギも見ることができました。今日の恵みの雨で、明日に期待がつながるのではと思いました。

  今日は夕食後、鳥見に行くことにしました。昼間あったプロカメラマンのMaさんから、オオクイナの撮影のコツを聞いたので、それを早速実践しようということになりました。今朝行った場所と同じ所に行きました。オオクイナの鳴き声が道路のすぐ近くから聞こえます。個体によっては近くによっても逃げない個体がいると聞いたからです。鳴き声が聞こえてくる方向を探します。声がすれど姿が見えません。しかし、同行者がオオクイナの姿を見つけました。思ったより少し高い樹にとまっていました。光を当ててもあまり動きませんでした。そのため、少し暗い中で撮影条件は悪かったのですが、どうにか姿を写真に収めることができました。短時間でオオクイナを見ることができ、幸運でした。

     4日目(4月21日)

 いよいよ最終日です。

 早朝は、昨年朝何回か行った森林公園に行きました。現地に着くとリュウキュウコノハズクが鳴いています。時々近くに来て鳴いてくれた時がありましたが、姿は良く確認できませんでした。早朝より、夜の方が観察には良いようです。

  比川の水田に向かいます。田にはサギ類がぽつぽつ見られます。しかし、前日とあまり変わり映えがしません。そのうち同行者の一人がアカガシラサギを見つけました。田の中や周辺の樹を何回か飛翔しました。早朝で暗く飛翔姿はボケボケでした。しかし、最後に証拠写真程度のものが撮れました。今回はアカガシラサギには会えないとあきらめていたので喜び倍増でした。

  続いて久部良に向かいます。港周辺の草地でシギチを見つけました。5羽のメダイチドリでした。しかし、すぐにこのグル-プは海の方に飛んでしまいました。この周辺の他の場所を探すとシギチが色々見つかりました。オオメダイチドリソリハシシギもいました。そして、同行者が見つけたメダイチドリですが、どうやらチベットメダイチドリではないかということでした。嘴が大きく、足も長いのですがオオメダイチドリではないということで、チベットメダイチドリの可能性が高いようです。しかし、チベットメダイチドリの情報は少なく、人によっても見解が違うようです(真木図鑑でも新版と旧版で説明がが変わっています。)。不確かな要素がありますが、ここではチベットメダイということで個人的な責任で処理しました。    

 久部良の中学校の周辺では2羽のオオコシアカツバメが、観察できました。どうも様子が営巣の準備をしているように見えるという話になりました。コシアカツバメの繁殖の南限が九州とのことなので、この鳥はオオコシアカツバメに間違いがないのではないかということになりました。

  Maさんから東崎(アガリザキ)に寄った場所にシマノジコがいたという情報が入りました。場所は苦労してやっと見つかりましたが、鳥は見つかりませんでした。ホオジロ類などが好みそうな場所のようです。プロになると目のつけどころが違うのだなと感じました。

 その後は立神岩にカラスバトを見に行きましたが、見ることができませんでした。

  最後は祖納の水田を見て上がることにしました。私ははっきり見ることができませんでしたが、マミジロツメナガセキレイがいました。このほか、昨日いたウズラシギコアオアシシギタカブシギなどがいました。

  今回の遠征で、観察できた鳥は大変少なかったのですが、少しライファーを増やすことができました。帰京して聞いた情報ではその後、珍鳥系も入ってきたようです。少し、運が悪かったのかもしれません。

  帰りの飛行機は出発が遅れ、那覇での乗り継ぎがうまくいかない可能性があるという話もありました、しかし、かろうじて間に合い、羽田発の最終バスにも間に合いました。

   同行していただいた6人の皆さんのご協力があり、充実した4日間の鳥見となりました。来年は石垣島も含めて検討しようという話になりました。

 皆さんにはここを借りて感謝したいと思います。ありがとうございました。 なお、鳥の識別についての誤りは、私の責任に負うところです。